第4章 サクラの悩み
『お久し振りです、サスケくん』
"うちは一族"の生き残りとして常に優秀な成績を収めていた彼は、その人目を引く容姿も相まってアカデミー内でもかなり目立つ存在だった。
カカシさんの教え子として
のちに部下としても側にいた彼の事は、
私としてはとても印象深かったのだが…
「……花、あんたも来たのか」
あ、良かった、覚えててくれた
サスケくんの声に、ホッと胸を撫で下ろす
私は正直 存在が薄い方だったと自負している。
取り分けて優秀でもなければ目立った事は何もしていない。
印象深いだろう彼らの同期生達と同じように、心に留めてもらっていた事を嬉しく思った。
『あの…私が居ても大丈夫?
3人の邪魔にならないかな?』
遠慮がちに2人を見ると、ナルト君が可笑しそうに笑った。
「な〜に言ってんだってばよ!
俺らの様子、見に来てくれたんだろ?
久し振りに話してぇし、嬉しいぜ!な、サスケ」
バンっと肩を叩かれたサスケくんは、迷惑そうに顔をしかめた
「…いちいち叩くな、このウスラトンカチ」
言いながらその視線を私に向ける。
「花、変な気を使うな
揃ったんだしもういいだろ?…行くぞ」
「うんうん、
花さんは私達にとっては姉みたいな存在だもの。サスケ君もこう言ってることだし、早くラーメン食べましょ!
ほら、サスケ君行こ!」
(…いいのかなぁ…)
ふとそう言ってサスケ君を促すサクラちゃんの後ろ姿を見ていたナルト君が、嬉しそうに笑顔を溢した
「サクラちゃん、嬉しそうだな
あんな嬉しそうな顔、久し振りに見た気がする
…ホント、良かったってばよ」
『…うん、そうだね』
こうしているとみんな変わらない
小さかった頃の、アカデミー時代のままに見える
本当に、昔みたいな関係に戻れたんだ。
(良かったですね…カカシさん)
心の中、本来はこの場に来たかっただろうカカシさんさんに話しかけてみた。
「さ!ラーメンラーメン!一楽のラーメン!くぅ〜久々だなぁ〜!!行こうぜ花ねぇちゃん!」
が──…結局一楽ではゆっくり話す雰囲気ではなく、私達は横並び一列で黙々とラーメンを頂くと満足し、諦めてナルトくんの家で寛ぐことにしたのだった。