第4章 サクラの悩み
「一度里が壊滅してから、以前住んでたサスケ君の家ももうなくて…仕方なく、今はナルトの所にいるみたいです」
『そっか、ナルト君も親友が戻って来て喜んでるね?』
「どうでしょう?
あの2人顔を合わせるといつも、子供みたいにケンカばっかりしていたから…
…でも、うん…きっと嬉しいだろうな…今の2人だったら」
(サクラちゃんもね…嬉しそう)
一緒に過ごして来た班の仲間はずっと特別だ
こうしてまた揃うことが出来て、嬉しくない訳がない
そもそも全員揃って大人になれる班自体、中々ないのだから…
大抵はどこかで誰かを失い、班は時と共に再編成を繰り返して行く
私もその例外ではなく、当初共に組んだアカデミー時代の仲間は…全員、任務で亡くなっていた。
それはカカシさんも同じで…
心に傷を残し、在りし日の仲間に思いを馳せる…残された忍は、皆そうだ。
忍び、耐える…それが私達に課せられた宿命でもあるのだから
カカシ班でもあった元第7班のメンバーは、それぞれの過去に複雑なしがらみを抱えた…里でも特別視された班
里の英雄をも産んだ今、こうして平和な時代に 仲間と恩師が1人も欠けることなく生き残った
(…ちょっとだけ、羨ましい)
「花さん…
実は私…ずっと考えていたことがあって」
『うん?』
「私、サスケ君がまた里を出る時は
…今度こそ…一緒に行きたいんです」
そう言って、決意を秘めた瞳を私に向けた。
私はその決意に、少なからず衝撃を受ける
「きっとまだ傷ついてるサスケ君の…側にいたい
彼を、支えたいんです」
『サクラちゃん…』
里を…出る気、なの?
私は彼女の言葉に、複雑ながらも…その想いを心から応援したくなる
(ずっと、好きだったんだもんね…)
「でもサスケ君に、また‥拒絶されそうな気がして…」
抜け忍として、一時期は敵の渦中にいたサスケ君は 里には居辛い立場だ。
彼の里への一時の敵対心は 壮絶なものだったと聞いている。
だがカカシさんは火影としてサスケ君を守った。
その暴走した思いを悔い改めた…かつての教え子を