第4章 サクラの悩み
朝食の差し入れを一緒に食べている間、カカシさんにはすっかり心配されてしまった
一応納得したように振る舞ったが、正直まだ腑に落ちない。
自分にはあの時、目覚めていたという自覚があったのに
だが 当の本人が帰っていないと言うのだから もう問い詰めても仕方がないと諦めた。
これ以上仕事の邪魔をするべきではない と判断した私は、自分の職場である病院へとそのまま向かう事にしたのだった。
(まるで現実の様ではあったけど…やっぱり、夢を見たのかも知れないな…)
確かに疲れていたし、そう言われれば…そんな気もしてくる。
もう、いいや
気持ちを切り替え、仕事に集中しよう
────…
───その日の午後
お昼休憩になり、私はサクラちゃんとの約束の公園にやって来ていた
手を振って走ってくるサクラちゃんにこちらからも手を振り返す
「はぁはぁ…お待たせしてすいません
あ、朝の差し入れ美味しかったです!
徹夜明けに元気貰っちゃって、ありがとうございました
まぁカカシ先生のおこぼれですけどね〜ふふ」
出会い頭から茶化す様に側に歩み寄ってくる彼女の言葉に、頬が熱くなってしまう
『…っもう、サクラちゃん』
「あはは、嘘です嘘です!
花さんの愛情たっぷりでした
はぁ…2人が羨ましいです
私にとって、理想のカップルだなぁ」
そんなことを言われて照れてしまうが、まるで本当の妹の様に思っている彼女の顔を見ると さっきまでのモヤモヤしていた気分が和らいでいった。
芝生の上にお弁当を広げ、サクラちゃんは買ってきたサンドイッチや甘味などを袋から取り出す。
こんな風にランチをシェアするのは、私達のたまの交流でもあった。
カカシさんの教え子でもある3人は、私にとっても特別な存在だ
『聞いたよ、サスケくん帰ってくるんだって?
…楽しみだね』
私の言葉に、サクラちゃんはすぐにポッと頬を染める
(…ふふ、分かり易い)
「実は昨日、帰って来たんです
でも私は視察の後だったし、あの忙しい状況の中…まだ会えてなくて」