第3章 違和感
「あ、花さん、おはようございます。
今日は朝食を差し入れですか?」
『あ…サクラちゃん、シカマル君…おはよう!
うん、カカシさん
今朝は朝食も取らずにいると思うから…少し早めに。
2人もこんなに早くから大変だね
…あの…もしかして徹夜…?』
疲れた様子の2人の顔色を見て、少し心配になる
「あ〜、俺たち今回…
視察に同行させて貰ったので、報告書を纏める手伝いを…ふぁ…
…半強制的に」
喋りながらシカマルくんはあくびを零している
「ああ、ねみぃ…
…たくっ面倒臭せぇけど…
火影様が徹夜してるってのに、さっさと帰るわけにもいかないんでね…
…でも流石に限界…俺は今から、ちょっとだけ仮眠を…」
ボリボリと頭をかきながら喋る姿は、本当に眠そうだった
でも昨日の夜、カカシさんは暫くアカデミーを離れていたはずだ
この様子だとその間、彼らがきっとサポートしてくれていたに違いない。
カカシさん…やっはりあの後、戻ったんだな
詳しく聞きたいが疲れているらしい彼らを余り長く引き止めてしまっても気の毒だ。
「…いいよなあ、カカシ先生は…
徹夜明けに朝食を差し入れてくる優しい奥さんがいるんだからさ…」
独りごちている様子が何だか微笑ましくて笑ってしまう
そう言えばシカマル君は頭が切れるので色々と頼りにしているんだ、と以前カカシさんが話していたな…
大戦中もシカマル君の活躍は大きかったし、正に有望株だ。きっと将来は、火影様を支える精鋭になるのだろう
本当に色々と頼られてしまっているんだろうな…
『あ、そうだ
2人とも、良かったらこれ食べて』
私は沢山作って来たお握りの包みをシカマル君とサクラちゃんにそれぞれ渡した
カカシさんの周りには、多忙故、中々食事を取れない側近の方々が沢山いらっしゃるので、こういう事もあろうかといつも余分に差し入れを持ってくるのだ
(今日も沢山作って来て、良かった…)
『今朝は急いでて、お握りだけだけど
……少しでもお腹の足しになれば』
「わあ、お握り!
嬉しい〜私もうお腹ペコペコで
時間もないし、おにぎりなんて最高!
ありがとうございます!」