第3章 違和感
────翌朝
カカシさんのお陰でグッスリと寝た私は
朝食を用意しようと、その日も彼が出掛けるだろう時間より早めに目を覚ます。
お陰で体力が戻ったようだし、頭もスッキリとしていたのだが…
『…カカシ、さん…?』
そこには、昨日の夜までは隣にあった温もりが…なくなっていた。
『…あれ?カカシさん?』
キョロキョロと辺りを見渡すが、姿がない。
…布団が冷たい…
いなくなってから、時間が経ってる?
もしかしたら起き出したのだろうかとリビングに行ってみるが、やはりいない。
それどころか家中に気配すら感じないなんて…
『なんで…?』
ハッとする
もしかしたら 昨日は忙しい中帰ってきてくれたのだろうか
本当は仕事が沢山あるのに、無理に戻って…
そして私が寝付いた後、夜のうちにまたアカデミーに戻ったのかもしれない。
(一昨日の夜、寂しかったなんて言ってしまったから…
カカシさん…気を使ったのかも!?)
『…私ったら…カカシさんに無理を させて…』
その上彼が家を出るのにも気付かないなんて…こんなの、火影の妻として、失格だ
それに 疲れてるとは言え、何も言わずにいなくなった夫にも、寂しさを覚えてしまった。
(そうならそうと、
なんで言ってくれないの?)
途端に、カカシさんのことが心配でいてもたってもいられなくなる
起き出した私はいつもの様に何品か作ったおかずをお弁当箱に詰め、カカシさんの好きな具でおにぎりを作ると、それを持ってアカデミーに向かった。
とてもこんな気持ちで、お昼休憩までなんて待てない。
真っ直ぐに火影室に向かう。
朝ごはんも食べずに家を出て
きっとお腹を減らしているはずだわ…
火影室に近づいて行くと、見知った顔に会った。