第3章 違和感
「こういうの
無意識なんだから、すごいよね?」
『ん…っ』
だが深まるかと思った口付けは浅く、そっと離された
少しだけ物足りなくて、強請るような視線を向けるとカカシさんが優しく笑う
「ん?なぁに?その可愛い顔
……もしかして、物足りなかった?」
『あ…少し、だけ』
思わず正直な答えが、口をついて出る
「ふふ……俺も
本当はもっと君に口づけて
そのまま押し倒したいんだけど…
君が辛そうだから、今日はもう寝ようね」
『……キスだけしてくれて、押し倒さなければいいのに……』
名残惜しそうにちゅっと音を立てて唇が離れていく
カカシさんは乾いた髪の毛を綺麗に櫛で梳かしてくれた
「君がして欲しいようなキスしちゃうと、今の俺はそれじゃすまなくなっちゃうの
…全く、君は…まだ男の事情がよく分かってないんだからなぁ」
『…そ…そうなんです、ね…』
頬が赤らむのを感じながらそっとカカシさんの脚に寄り添う
「うん
だから今の俺は、君を違う方法で甘やかすね」
『ふふふ、はい…お願いします』
「愛してるよ…」
ささやきと共に頬にもキスが落とされ
甘い空気に、心が満たされていく
疲れている私を気遣うカカシさんと、
ベッドで2人寄り添って、横になる。
人肌の安心する体温とカカシさんの匂いに包まれると、直ぐに心地良い眠気が襲って来た。
「おやすみ…花ちゃん…いい夢を」
(あったかい…)
『…おやすみなさい…あなた…』
私はその夜も、彼の腕の中
幸せな気持ちで、眠りについたのだった。