第25章 終章
ーーー
シカマル『6代目!!!産まれたみたいですよ!!ここはいいですから、早く病院に!!』
シカマルの言葉に顔を上げると…俺は驚きと喜びと焦りに胸を焦がせて…火影室を一も二もなく飛び出した
産まれる数ヶ月前から俺はシカマルを始めとする側近たちに釘を刺し続けて来た
妻が出産した際には、余程の有事が重ならない限り"影分身"ではなく、"本体"で駆け付ける!と
それはもう、絶対に我が儘を押し切らせて貰うぞ!と
そしていよいよ…昨夜遅くに産気づいた花ちゃんが病院に運ばれて行って…
そこから緊張の数時間…朝を迎え…その事を再度常駐の側近達に徹底し直した俺は、皆からの快い了承を得ていた
上司想いの部下達の為…いつ何時産まれても駆け付けられるように、いつもの倍速で書類仕事をこなして行く
(……親父になるんだ……今日……俺は……!!)
そんな矢先の…報告に…病院に向かう脚が、羽のように踊っていた
ーーー
オギャァッオギャァッオギャァッ…
数時間の分娩を経て…私は今、腕の中に小さな奇跡を抱いていた
カカシさん譲りの銀髪をした……男の子だ……
サクラ『花さん!!よく頑張りましたね!!おめでとうございます!!』
先程まで感じていた出産の痛みなど……帳消しになるほどに……腕の中の存在に、やっと会えたのだという喜びに包まれている
痛みで流していたはずの涙は、今や喜びの涙となっていた
サクラ『…カカシ先生に似た、男の子…ですね
きっと、2人に似て優秀な忍になります!!』
花『ありがとう、サクラちゃん』