第25章 終章
カカシ『花ちゃん!!』
扉を開く大きな音と共に現れたカカシさんは、火影の装束に身を包み、息を弾ませていて…仕事中にも関わらず、急いで駆け付けてくれた事が分かった
花『……カカシさん……ホントに……来てくれた』
カカシ『あっ…当たり前でしょ!!』
しかし私と腕の中の存在をその目に留めると…感極まった様にそのまま動きを止めてしまう…
ゆっくりと、一歩一歩…私達に近づいて来て、その場で目線を合わせる様に膝を付いた
花『男の子です、カカシさんに似た』
カカシ『はは……っ、
ほん…とだ
俺と、同じ髪色
君の、お爺ちゃん譲りだな』
花『……カカシさん……』
恐る恐る伸ばされた指先は、小さな指先に這わせれば必死に握りしめられる
その姿の愛おしさに思わず目を合わせて、私たちは微笑み合った
カカシ『なんて小さいんだ
初めまして…
俺は、君の…"お父さん"だよ』
「お父さん」という言葉のぎこちなさが何となく可笑しくて笑ってしまう
頬を染めて腕の中の存在に夢中になるカカシさんの瞳は、完全に涙ぐんでいた
カカシ『あり…がとう花ちゃん
俺の子供、産んでくれて』
腕の中の存在諸共…ギュッと抱き締められる
かけがえのない命を授かった上に、その事を共にこうして喜べる彼が隣に居てくれる事に、また幸せを感じる