第3章 違和感
それにしても…夫のこの体力には驚かされる。
流石長年上人として、過酷な任務をこなして来ていただけのことはあるな…と、変なところで感心してしまう。
写輪眼を失ってからは以前より体力が余るようになったらしいけど…その影響もあるのかな?
「分かったよ、今日はもうしません……だから入ろ?」
────…
ちゃぽん………
お湯の跳ねる音が、静かな浴室に響く
開けていた小窓からは、鈴虫の鳴く声が聞こえて来る
私はゆったり湯船に浸かりながらカカシさんにもたれかかった
『はぁ……気持ちいいです』
「うん…本当に」
目をつぶって彼の肌の感触を湯船の中に感じていると、暖かくて、安心して…ホッと また冷めたはずの眠気がやって来てしまう
…と、耳元に優しくキスをされくすぐったさに顔を上げた。
「寝ちゃいそうだね、
早めに上がって、ちゃんと一緒に布団で寝よう」
『あ、は…い…』
うつらうつらしながら答えると、クスッと小さく笑ったカカシさんに促されフラフラとしながらお湯から上がった
『すいません…やっぱりちょっと、寝不足なのかも…』
カカシさんは大きなバスタオルで私の身体を丁寧に拭いてくれる
「分かってるよ、俺のせいだね
髪も乾かしてあげる、おいで」
ぼぅとする頭でカカシさんに言われるがまま着替えると、ソファに座った彼の足元に座らされドライヤーで髪を乾かしてもらった
『…あったかい…』
「こうしてると、犬みたいだな」
『ふふ…カカシさんの忍犬になら、なりたいかも、です』
「まぁたそんな 可愛い事言って」
暖かい風と、髪を梳かしてくれる彼の優しい指先の感触が気持ちいい
『でも…やっぱり、
カカシさんの忍犬より…カカシさんの奥さんの方が、いいです』
「もうなってるね」
『…はい、幸せです』
「…あぁもう…君は俺に襲って欲しいのかな?」
『…え?あ、いえ…決して…そういう訳では…』
はっとして、しどろもどろに答えるとドライヤーがパタッと止まって屈み込んだカカシさんにそっと口付けられる。