第24章 まだ見ぬ未来へ
カカシさんが、無理をしている事には直ぐに気が付いた
私のためにサスケ君と2人、こうして話す機会を作ってくれた事には……きっと、彼なりの理由があるのだろう
それはさっきの、2人の話の内容に…関係があるのだろうとも思った
のだが………
私は難しい顔をしてジッと無言を貫いているサスケ君をもう一度チラリと見やる
(…う〜ん…このペースだと…多分何も話せないまま…家に辿り着くのだろうなぁ…)
そこで私は意を決して、声を掛けてみることにした
花『…あのさ…良かったら、何処かでお茶でもして行かない?』
ーーー
花の言葉に顔を向ければ…目に写ったのは、穏やかに笑んだ彼女の…無防備な表情で…
俺は何度コイツを…警戒心がないと思ったのだろう、と過去を顧みた
あんな目に合って尚…まだ俺を信じたいと言ったその言葉を体現するように…花は昔と変わらぬ笑顔を俺に向けた
そんな花から暫し…目が離せくなる
何故俺はこんな事で…無様に涙腺が刺激されているのだろう
気まずさに瞬身で…その場から去りたくなった
…あの牢での一件以来…俺は花とはまともに会話すらしておらず、その後はまるで里から逃げるように長期任務ばかりをこなしていた
その数ヶ月振りに交わした、会話らしい会話………だが伝えねばならない事はまだ何一つ話せてはいない
サスケ『…切り出せなくて…すまない…そうして貰えると助かる…
お前と…ちゃんと話したい』
花『…うん、私も』
花が「行きたい店がある」と言って…自身の腕を引いて歩き出した
…まだ誰も跡を付けていない雪の上、歩を進める
俺に触れるコイツに茫然とし、気付いた時には目の前の店の扉を開けた花にまた名を呼ばれ…俺はその後に続いていた
ーーー
最近できたばかりだと言うその店は、女が好きそうな外観をした…里には珍しい小洒落た雰囲気のカフェだった
花はお腹が空いたと言って、紅茶の他に満面の笑みでケーキを選び…俺はコーヒーだけを注文する
自身の正面に居を据えた花と…自ずと、視線が絡む