第24章 まだ見ぬ未来へ
花『お店の中も可愛いね……って……サスケ君の趣味じゃないか…
…付き合ってくれてありがとう…ふふ…』
花は…店内をぐるりと見渡してから、屈託のない笑顔をまた俺に見せる
不思議な事に…花と向き合って過ごすこの僅かな時間が、雁字搦めになっていた俺の心をいとも容易く溶かして行った
…どうしてもっと早く…こうして花と向き合わなかったのだろう…との思いが湧き上がってきた
だがきっとこれまでに足掻いて来た孤独な時間すら…自分には全て必要だったのだ
そうしてまた、俺はこの先も…足掻き続けねばならない
…懺悔も込めて…
サスケ『…花、俺は里を出る
カカシにも、さっき許可を貰った』
オーダーしたものが目の前に運ばれてきて直ぐ、俺は口を開いた
花『え…』
花がその言葉に動揺したように瞳を揺らす
俺の心にもう迷いはない
俺は花の視線を真っ直ぐに返した
すると花の瞳の揺らめきが消えて行く
その顔が、何処か嬉しそうに微笑んだ
…花が、この里で笑っている
たったそれだけの事が、今の俺には重要だった
愛する者のこの笑顔の為に、俺は…里を守りたいのだと強く思った
「ただ影から平和を支える名も亡き者…それが忍」…か…
それはイタチが兄の様に慕った…うちはシスイの言葉だ
何故今その言葉を思い出しのかは分からない…だがそれがストンと自身の腑に落ちる
……自分がこれからどうあるべきかが、ハッキリと見えた気がした……
サスケ『今の未熟な自分に何が出来るのかなど、まだ分からない…だが、カカシやナルトに負けないぐらい、立派に里を守る忍となる
それが今の目標だ
…その為に、俺は以前からの旅をまた続ける』
花『……うん、そっか……いいと思う
……頑張ってね、サスケ君』
花は俺の言葉と向けた視線を真っ直ぐに受け止めてくれた
ーーー
サスケ君が真っ直ぐに、私を見てくれて…前向きな言葉を口にしてくれた事が嬉しかった
私は漸く彼との、以前の絆を取り戻せたような気がして泣きそうになっていた