第24章 まだ見ぬ未来へ
ーーー
「但し…」そう言ってからカカシが開けた扉の先には…思い掛けず花の姿があって…
俺は間抜けにも…それに、意表を突かれる形となった
寝ぼけ眼でハッと俺を見た花の顔に…隣室で寝ていたのだろうと直ぐにその状況を呑み込む
ナルトがカカシと花の掃除を手伝ったと言っていたこと…
カカシが部屋を馬鹿みたいな暑さにしていた理由…それらがパズルのように、自身の脳裏で組み合わされていく
(…掃除に疲れた花が…隣室でうたた寝でもしていたのだろうか…)
…花がその部屋の異様な暑さに気付き、慌てる様子…
花を思いやるカカシの言葉に、花が咲いたように柔らかく頬を染める横顔…
それらを目の当たりにして…彼女を想う胸が…軋むように痛んだ
…カカシは、花を納得させろと言った
そして…無理矢理引きっつった笑みを顔に貼り付け…花を家まで送る役目を俺に振ってきた
それを花も容易に受け入れて
やはりこの夫婦は…揃ってどうかしている…などと何処か俯瞰で、その状況を見つめていた
…俺だって馬鹿ではない…カカシの意図は…理解していた…
……ちゃんと話せ……けじめをつけろ……
師匠面したあいつの表情は何よりも雄弁に物を語っていたのだから
(……情けなくいつまでも……逃げてる場合ではない……か……)
……静かに……腹を括る……
数ヶ月間ずっと向き合えなかった花へ…俺はやっと視線を向けた
ーーー
花『……あの……
…私と…帰るの嫌だった…よね…
………なんか…ごめんね………?』
「いや…それはお前の方だろう」と言いつつ、いつにも増して表情を硬くするサスケ君の様子に…私は戸惑ってしまった
数ヶ月振りに間近で見るその端正な横顔は…以前にも増して…大人びて見える
どんどん大人に成長していくサスケ君を目の当たりにして、摘み取ったはずの彼への仄かな想いが顔を出した事に、罪悪感を覚える