第24章 まだ見ぬ未来へ
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驚きの顔で黙してしまったサスケに、大人ぶった余裕の笑顔を向けてみる
(…そりゃ、その反応だよね…)
花ちゃんが側にいては自分をリセット出来ない…サスケはさっき、そう言った
それはつまりはコイツが…まだ彼女への想いに苦しんでいる、という事なのだろう
そして、自分の"心"の未熟さを嘆き、そこから脱したい…と足掻いているのだ
だから俺は…敢えてサスケに彼女を送るによう頼んでみた
変わりたいと願う弟子を…1番に信頼しなきゃならないのは、他の誰でもない…自分であり…
'里抜け"や自らに貸す"罰"ではなく…
"里のために"…
という言葉を使ったこいつの前向きとも取れる足掻きを…俺はサポートすべきなのだ
…火影としても、師としても
カカシ『いいでしょ別に、お前の帰る道すがらに我が家はある訳だし…ね、花ちゃん』
花『あ…はい
送るというか…よかったら途中まで一緒に帰らない?サスケ君』
花ちゃんは、そんな俺の思惑を知ってか知らずか…直ぐにその提案を呑む
(…う…っ…複雑…拒否感ゼロって…)
自分でふっといて何なのだが…さり気なく視線を送れば「大丈夫です」とその健気な瞳が意思を持って俺に向けられた
無意識に指でそっとその愛しい頬に触れれば、安心させるように微笑んでくれる
サスケ『…いや…俺は…適任ではない…他を当たってくれ』
カカシ『いいから送って行け』
花『……』
事件以来サスケは…俺とは目を合わせる事を避け、花ちゃんとに至っては…この数ヶ月、会話すらしていない
こんな状況でサスケが里外へと旅へ出たなら…恐らく花ちゃんは…その責任を感じ、サスケの居なくなった里で1人…傷付くのだろう
サスケは里を離れる前に、花ちゃんと…キチンと話しをして……何かしらのけじめを付けるべきなのだ……
そして俺は……
不本意ながら…そこに…立ち入るべきではない
(…う〜ん…出来た大人を装うってのも…
……辛いよね〜…
…絶対引きつってるよなぁ…俺の笑顔……
………はぁ……)
信じるぞ……サスケ……