第24章 まだ見ぬ未来へ
(……いけない……こんなに暗くなるまで……寝てしまうなんて……)
一体…今…何時なのだろう…?
私はもぞもぞと身を起こしてから、乱れた髪や服装を両手で軽く整え…光が漏れる扉に目を向けた
隣室へ続く扉は軽く開かれたままで…自然と閉じないよう、間に分厚い本が挟まれている
この部屋には独立してストーブが備え付けられていない為、隣室から流れてくる暖気で部屋はほどよく暖められていた
掛けられていた毛布も、この扉も…直ぐにカカシさんの気遣いだと気が付いて、ほんわかした気持ちになる
眠ってしまった事を謝らねばと立ち上がった時…ふとその開いた扉の隙間から話し声が聞こえて来て…咄嗟にノブに掛かった手を止めた
お仕事の、邪魔をしてはいけない…そう思ったのだが…
(…この声…
カカシさんと………サスケ君だ………
サスケ君…任務から戻って来たんだ…)
ーーー
カカシは、以前と変わらぬ"師"としての顔を俺に見せていた
ゆっくりと俺に言い聞かせるよう、言葉を紡ぐ
カカシ『サスケ、お前はその若さで、大きな力を待ったな
うちはであるが故…とは言っても…
写輪眼、輪廻眼……どちらも使いこなすには成熟した精神が必要だろう……
俺だって写輪眼を持っていたから、その力が持つ力や危険性は…分かってるつもりだよ
それを以って見える世界は…今の若いお前にとって…とてつも無く重いものだろうね
持て余した力の使い方を、今回のように誤る事だってまたあるかも知れない
…だがお前の言う"心"は、年齢と共に…自然にその実力に追い付いていく筈だ
少なくとも、お前を想う…周りの仲間達さえ見失わなければ…必ずね
……焦る必要なんてないんだよ』
サスケ『……だとしても…俺は足掻きたい……
……歪んだ精神のまま歳を重ねれば……それなりの人間に落ちる
そういう忍を俺は間近で嫌というほどに見て来た…
……強大な力を得たものほど、それに見合った屈強な精神を身に付ける必要がある筈だ……
それに……同じく早くに力を得たナルトは屈強な…既に"心"を待っている』
結局俺は…いつもあいつに、何かしらの劣等感を感じずにはいられないのだろう
だが今は…よき、ライバルとして…