第24章 まだ見ぬ未来へ
サスケ『それは違う…
…俺の旅の目的がまだ…中途半端になっているからだ…この世界…引いては里の為に…俺に何が出来るのか…
それを探る旅を…この先も続けたい…
……それに……』
カカシ『…それに?…』
サスケ『………
……そうする事で、未熟な自分を…1度リセットさせて欲しい
…花の側では…それが出来そうにない…
俺は……この旅で……"心…技…体"……全てを揃えたいんだ……』
(…心、技、体…と来たか…)
闘う者にとって必要となる3つの基本的な要素
サスケは既に"技、体"を充分に備えていた
(…残るは…"心"…ってことかな?)
決意した様なその瞳を…俺も真っ直ぐに見据える
自らの足りない技量に向き合おうとするサスケを、師としては心底誇らしく思った
少しでも後ろ向きな気持ちだったとしたら、許す気はなかった
精神的に不安定であれば、まだ目の届く範囲に置いておくべきだとも思っていた
…けれども…そうじゃないのなら…
サスケの言うポジションは、里に取っても有益である事には違いない
寧ろ里外で情報収集に当たり、鷹で連絡を取り合える優秀…かつ信用の置ける人員は欲しいところでもあった
平和になった現在、皆家族や大事な者を置いて、長期に渡り里を離れる事を…躊躇するからだ
かつてのサスケは優秀にその任をこなし、結果を出していた
…故に上への推薦も出来る…だが…
花ちゃんは、何て思うだろうな…
ーーー
掛けられている布団に鼻先を埋め「う〜ん」と伸びをしつつ…私は薄く…瞳を開いた…
花『……ん……?』
ぼぉっとした頭で薄暗い辺りを見渡す
毛布からは…安心するカカシさんの匂いがして一瞬…家の寝室にいるのかと錯覚した
…が…直ぐに自宅とは景色が違う事に気が付き…ハッとしてぱっちりと目を開ける
あ…れ…ここ…は…
漸くはたと思い出す…自分が火影室でうたた寝をしてしまっていた事を…
ふと窓の外を見れば真っ暗で…街明かりに浮かび上がる里には真っ白な雪が薄く降り積もっていた