第24章 まだ見ぬ未来へ
言い返せず無言にならざるを得ない自分には腹が立った
ナルトの言った事は…悔しいが的確に…真意を突いていたからだ
恐らく里抜けをしていた当時の俺の行動、全て含め…不器用という言葉を当て嵌めたのだろう
確かに俺は…一つの事柄に深く囚われれば…凝り固まり、器用に立ち回れるとは言い難い
過去の失敗や教訓を鑑みれば…その事実を自らも、受け入れざるを得なかった
(思い込みが激しく…容易に感情に、流される…それが負の感情であったなら…尚更に)
里に所属する忍としては…致命的であり、カカシが兼ねてから言っているように、上層部から未だ疑心の目で見られているのだとしてもそれは、自業自得なのだ
故にカカシは秘密裏に、あの事件を揉み消し…闇に葬った
そして前回里抜けし、暴走した俺を…命懸けで止めたのも目の前のコイツだ
俺はこれまで情けなくも…コイツら里の連中に支えられて…現在の処遇を得ている
目の前のコイツは、紛う事なく俺の恩人の1人なのだ
今や里の英雄とまで言われるコイツの言葉がなければ今の俺はなく、ほぼ無意識にそのまま…言葉を紡ぐ
不思議とコイツに…聞いて欲しいと言う気持ちが湧いて来ていた
サスケ『あの事件で…もっと花は俺を憎み、罵り、心底軽蔑するべきだった
…そうなっても仕方ないことを俺はしたのだから…』
言葉を切る俺を、ナルトは静かに促していく
ナルト『…だけど姉ちゃんも、カカシ先生も…そうしねぇのは…お前が大事だからだ』
サスケ『…ハッ…人がいいにも…程がある…
カカシは…俺をぶちのめしたいだろう衝動を抑え…事件に対処し…
花は…俺に気持ちがあったからだと…共に罪を背負うとまで言ってのけた
俺はただ情けなく…その温情を受けただけだ
ともすれば…俺のせいでアイツらは…互いを…失っていたかも知れないってのに…
……理解に……苦しむ……』
ナルト『…確かに…そう簡単に出来る事じゃあねぇかもな
……だがな、サスケ……憎しみは何も産まねぇって……先生達はちゃんと、分かってんだよ
…お前の想いは叶わなかったけど…それでも姉ちゃんを大事だって言うんならよ…
2人の気持ちを受け入れて、お前も前を向くのが…1番なんじゃねえの?』