第24章 まだ見ぬ未来へ
ナルト『な〜に黄昏てんだ、こんな所で
もしかして今、任務から戻ったのか?サスケ』
底抜けに明るい声がして目線をやれば、そこには羨ましい程能天気な顔をした…ナルトが立っていた
1人で考えたいタイミングに限って、都合よく現れやがったコイツに…思わず溜息が漏れる
黄昏ているという人を小馬鹿にしたような言い方に苛ついて、こめかみに青筋が浮かぶのが自分でも分かった
(…ほっときやがれ…このウスラトンカチが…)
「ははぁ〜ん」と自らの顎をさすりながら近づいて来るナルトに嫌な予感しかせず、ギロリと鋭い視線を向ける
サスケ『お前こそ、こんな時間にこんな場所で何をしている?
…いや、聞くまでもないな…
どうせ修行か…』
…それ以外はあり得ない…
ナルト『ご名答〜!…って、何だよその言い方…何かトゲあるなぁ
…今日は特に任務もねぇし、さっきまでキバと赤丸とゲジ眉も一緒に…裏山で組手の練習、してたんだってばよ
これから合流して、飯食いに行くんだぜ
良かったら、お前も一緒に…』
サスケ『…俺はいい』
ナルト『うっわ、即答かよ…つれねぇなぁ…
つか…実は昼間はカカシ先生のとこ行って、掃除の手伝い…してたんだぜ
…"花姉ちゃん"も一緒に』
サスケ『…っ…』
花の名前をワザとらしく強調し、それに反応する俺を見て、「やっぱりな」と薄ら笑いを浮かべるこいつが心底憎くて仕方がない
だが図星を突かれ、諦めたようにそのまま俺は目線を前に戻した
こいつはあの事件の全容を知っている数少ない人間の1人だ…今更誤魔化したって…仕方がない…
それに…こいつの悩みのなさそうな面を見ていると、心底気が抜ける
ナルト『…もしかして、聞いちまった?花姉ちゃんが妊娠したって話』
サスケ『里中で話題になっているようだからな
…嫌でも耳に入る』
らしくなく気遣うような気配を感じて、さらに苛ついてくる
こいつに気を遣われるようになったら、俺もおしまいだ
ナルト『…お前…まだ好きなのか?姉ちゃんの事』