第24章 まだ見ぬ未来へ
カカシ『…お疲れ様…花ちゃん…今日はありがとね…』
花ちゃんの、おでこに…頬に…キスをして、その存在を確かめ、抱き寄せ、俺は癒される
そっと彼女のお腹に触れ、撫でてみれば自分でも驚く程に暖かい気持ちになった
(…まさか…自分がこんな気持ちになれる日が、来るなんてね…)
カカシ『…全部君のお陰だ…愛してるよ…』
…この子の、このお腹の中に…俺達の子供が宿っているなんて…ホント嘘みたいだ
聞いた直後は舞い上がり、暫く仕事も上の空で…自分の子供とは一体どんな感じなのだろうと、不思議な気持ちになった
今でもその気持ちは、変わらずに…あの日以来、俺は…何だか常にふわふわしている
誰よりも愛おしく思う彼女が…俺の血を分けた子供を産んでくれるのだという事実が…嬉しくて…幸福過ぎて…怖くもなる程で…
(…君とこのお腹の子は…俺の…掛け替えの無い宝…
必ず…この命に変えても…一生、守り抜くよ)
そう密かに胸に誓って、俺は扉を半分開けたまま…まだ中途半端になっていた書類仕事へと戻っていった
(…さ、続き頑張ろ〜っと)
ーーー
"火影夫妻が子供を授かった"
その晴れやかなニュースはあっという間に里中に知れ渡っていたのだろう
長期任務を終えて木の葉に戻って来た矢先、その話題に触れる事となり…正直…複雑な思いを抱いていた
(…花が…カカシの子を…)
さして驚きはしない…だがあいつらはそうして…これからも繋がっていくのだろう…互いに無くてはならない存在…家族として…
その事が…単純に…俺と花との距離はもう決して縮まる事はないのだという確信に変わり…一抹の寂しさを覚える
俺は1人火影岩の上から里を見下ろし…今までの日々に想いを馳せていた