第24章 まだ見ぬ未来へ
"美人秘書…兼…新妻"…なんて…何だかイヤらしいなぁ…
などと若干卑猥な妄想が浮かんで来れば…何故か直ぐにその空気を察した様子の花ちゃんが、訝し気な視線を俺に向けて来た
(…集中していない事にも直ぐに気取られてしまうなんて…全くもって、優秀過ぎでしょ…)
ゴホンっとワザとらしく咳払いをしつつ、また目の前の書類に視線を戻せば、花ちゃんもそれに倣って掃除に意識を戻していく
カカシ『…はぁ…悩ましいねぇ…』
火影室の机に押し倒した君をあられもない姿にひん剥いて…あんな事や、こんな事を…などと想像してしまった事など…
…口が裂けても言えやしない
ーーー
すっかり綺麗になった火影室をナルトが後にしてから暫く…細かな箇所の整理を花ちゃんは黙々としてくれていた
花ちゃんの気配を感じながらの作業は思いの外心地良く…俺は本気で今後、彼女に火影の補佐を頼めないかなぁなどと考え始めていた
カカシ『…あれ…花…ちゃん…』
暫く仕事に集中していて気付かなかった…次に顔を上げた時には、部屋に誰の気配も感じない
もしかして気を使って…俺の邪魔をしないようにと帰ってしまったのか…あの子ならば、あり得るし…って…
(えぇ〜……声掛けてってよ…寂しいなぁ…)
ガタリと机から離れて扉を開け放ち、廊下を見るも…誰もいない…
だが休憩用の隣室を覗けば、ソファの上でうたた寝している彼女を発見し…思わずホッと息を吐いた…
(…良かった…疲れて寝ちゃったのか…全く…こんな寒い部屋で寝て…
起きたらちょっとだけ、お説教だな…)
俺はいつも自分が使っている仮眠用の毛布を何枚か重ねて彼女の上に掛けてあげる
その後部屋に隣室から暖気を入れた
すると小さく身動いだ彼女の顔が、少しだけ微笑んだようにも見えた
(…可愛いなぁ…)