第24章 まだ見ぬ未来へ
「全く…結局当てられっぱなしだってばよ…」などとまたぶつぶつ呟きつつ…唇を尖らせたナルト君が目の前のお弁当にがっつき始めたところで…私もまた、ハッと我に返る…
見ればカカシさんは悪戯っぽい笑顔を浮かべながらいつの間にかまたソファで、ナルト君と同じようにもぐもぐご飯を食べていた
(……恥ずかしい……)
ーーー
午後の仕事始めは、花ちゃんが複数人に膨れ上がったナルトと共にバタバタと掃除をする空間で机に向かっていた
換気のために細く窓が開けられて…時折り凍えるような空気が中に入ってくる為、花ちゃんの体調が気になって仕方がない
ナルト『姉ちゃ〜ん、これは?』
花『あ、それはこっちの棚』
「これは?」「それは資料だから隣」「これはこれは?」「それは…」10人以上はいるナルトへの的確な支持をてきぱきと出しながら大量の書類はあるべき場所へと、不要な物は部屋の外へと運ばれていく
見ていて爽快になる仕事振りだ
俺はそわそわしながらも敢えて彼女に当たるように備え付けのストーブの炎を最大値に設定し直した
その間、シカマルが報告書やら何やらを…また山のように追加して持って来たのだが、花ちゃんはチャチャっとそれを区分して書棚に取り出しやすく整頓していく
その中から承認書類だけをまた分かりやすく…分類別に、期限順に、目の前に並べられて…それだけでいつもの倍以上、スムーズに仕事が片付いていくのだ…
カカシ『…わぉ、やり易い』
(凄いなぁ…花ちゃん…伊達に長年、綱手様のアシストをしていたって訳じゃあないね…
…これは思った以上に色々と、心得ている)
5代目の時分、花ちゃんは綱手様に随分重宝がられていた
それは医忍としての実力だけでなく…こういったサポート能力も買われていたに相違ない…
「う〜む」と唸る程…痒い所に手が届く…
掃除の合間に絶妙なタイミングで…次の束が目の前にまた並べられていく
書類をまとめて持ってくる度控え目に「どうぞ」と発せられる可愛い声に、癒しすら貰えるのだから…余計にやる気が湧いてくるというものだ
我が妻ながら…自分の側近として、本気で欲しいと思ってしまった