第22章 未来を見据えて(3人視点)
「ふふ、ありがとう カカシ君
こんなに花を愛してくれて」
そう言った義母は、まるで本当の息子を見るように愛情のこもった目を俺に向けてくれる。
それだけで暖かなものに包まれている様な気持ちになった。
俺こそ…花ちゃんを愛した事で ガラリと世界を変えられた。
目の前に広がる世界が、全く違うものになった。
「お礼を言いたいのは──…こちらです、お義母さん
花ちゃんをこの世に産んで下さって、ありがとう…ございます」
涙を拭いつつお握りを食べていると、ふと義母が気付いたように 布団の傍にある着替えのパジャマに目をやった。
「…あら?こんなの出したかしら」
「え?あ、いや…これはその〜」
おにぎりをもごもごしながら、俺は途端に慌てふためく。
まるで先ほどの邪な思いを、本当の母親に見抜かれた子供の様な気分になった。
「ふふ…まあ 花ったら またこんなに汗を掻いて
────そうだわ、カカシ君!
すみませんがこの子の着替え、お任せしてもいいかしら?」
だが慌てる俺を尻目に、義母はまたにっこり微笑むと「お盆は朝部屋の前に置いておいてくれれば大丈夫だから」なとど口にしながら そそくさと部屋を後にしてしまった。
(え〜っと…──)
「はは…
敵わないな、お義母さんには」