第22章 未来を見据えて(3人視点)
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ガチャリ…
カカシ『…花ちゃ〜ん
起きてる?』
俺の声に
小さな影がむくりと動いて反応する
パックン『…静かにせんか
ずっとうなされていて、ようやっと寝入ったとこじゃ』
カカシ『えぇ〜
大丈夫なの?それ…
うわ…本当だ…凄い汗じゃない…
これは、着替えさせないとな…』
パックン『後でもよかろう
…邪な目をしおって』
カカシ『よ、邪な目って…
酷いなぁ…パックン
俺、花ちゃんの旦那様だし
いいでしょ、別に』
着替を物色してから
花ちゃんの傍に腰を下ろすと
そっとその額に掌を当てた
しっとりと汗に濡れている
カカシ『こんなに汗かいて…
…苦しいのかな…可哀想に…
…ねぇ今日はどんな様子だった?』
パックン『そうじゃな…
まだ術は切れておらんようじゃ
夢の中なのか…
ずっとサスケの名を呼んでおったわ』
カカシ『…サス…ケの名…ね…
…パックン…配慮、ゼロだよねぇ…』
遠慮なくずけずけと真実を言ってくれちゃって…
俺にも傷付く気持ちがあるって
分かってるのかなァ?
パックン『お前に配慮してどうする?
キッチリと事実を受け入れろ』
その時身動いだ花ちゃんが何かを呟く
俺は焦って花ちゃんの口元に耳を寄せた
カカシ『…ん?どうしたの?花ちゃん』
花『…サ…スケ…くん…』
耳元で囁かれた言葉に瞬時にムッとしてしまう
その気配を察したのか
徐に目の前にぷにぷにの肉球が差し出された
パックン『…そら、言った通りじゃろ
…やれやれ
そう怖い顔をするな
…肉球を触らせてやるから、ほれ』
差し出された
小さな手の柔らかい肉球を
気持ちを治めるように
ついもみもみと揉んでしまった
カカシ『…仕方ないのは
分かってるさ…
でも…これは、辛いな…』
パックン『シバに聞いたぞ
昨日は花に向かって
何やらカッコつけた事を言っておったんじゃろ?
大人の余裕を見せつけたなら
ちゃんと貫き通せ』
カカシ『はぁ…
もう、いいからパックンは帰って帰って
俺は花ちゃんを着替えさせないと』
ジト目のパックンが溜息をついて煙と共に掻き消える