第22章 未来を見据えて(3人視点)
「俺が疑問に思うのは…
お前がここまでしても手に入れたかったのは
本当に花さんだったのか…という事だ」
重吾がその重い口を開く
「……?」
「何故お前は 香燐や、あのサクラとか言う子じゃダメなんだ?
2人ともお前を心から思い…慕っている」
「…さぁ、な…」
そんな事が分かれば、俺も苦労などはしない。
わざわざ手の届かない存在に、情けなく…しがみついたりはしない。
「──…里抜けをする前から…
俺はあいつが好きだった…ずっと好きだった」
──…拘るさ…
俺はカカシよりずっと、花を…あいつを長い事、見つめて来た。
「ずっと好きだったと言っても、
お前は5年も彼女とは音沙汰がなかったのでは?
なのに昔の想いだけで、彼女に……何故そこまで執着する?」
「……」
「…いや、すまない
ただ疑問なんだ
お前が花さんに拘っていた…その理由を考えてみたらどうだ?
俺には分からないが、
もしかしたら…きっとそこに、お前の答えがあるような気がする」
花に拘る…───理由
────…
「あ、そういやさカカシ先生
花姉ちゃんには会えたのかよ?」
前回の任務での報告書をやっとの事で書き上げたナルトが、火影室の机の前でその腫れぼったい目を瞬く。
「ああ、ご心配をどうも
…昨日漸く会えたよ」
この顔は…──恐らく昨夜、徹夜したか
連日忙しかったはずなのに、コイツはこうして責務を果たしに来た。
(…うん、成長、しているね────偉い偉い)
片やこうも真っ直ぐなのに…どうしてサスケは ああも毎回、自分を追い詰める方向へ向かってしまうのか
「そっか、ならいいんだ
サスケにも その内きっちりと謝らせるからよ
…ありがとな、先生…
あいつを…その、守ってくれて…」
「はは、どうだか
守ったのは、お前だよ、ナルト…
────…俺じゃない
ちゃんと見ててやってくれよ…
これからも、サスケを」
あいつの暴走を止められるとすれば…それはいつだって、ナルト…──お前なんだから