第22章 未来を見据えて(3人視点)
ひんやりとした感触の心地よさに、そっと瞼を閉じる。
(ああ…
どうしてこんなに、安心…するんだろう)
『あ、の…』
だが喋ろうとすると、指先が唇に当てられる
「しぃ──…いいから
今は何も考えず ゆっくり休みなさい
でもこうして少しだけ君の側にいる事
───…許してくれる?」
私は返事の変わりに触れる掌にそっと頬をすり寄せた。
瞑った目から涙が零れ落ちる
それをカカシさんの指先が、一筋ずつ掬い上げていった。
「うん、良かった…顔だけでも見れて」
そう言って何度も頬が優しく撫でられる
『…っ…』
「泣かないの
──…君さ、俺の想いを侮ってる?
もしかしてこんな事で、俺の気持ちが君から離れるとか…そんな風に思ってるんだとしたら
それはかなり心外だよ」
『……』
何か言おうとする唇は、だがやはりカカシさんの指先にそっとまた塞がれて…一言も紡ぐことは叶わない。
「だから、いい?
これから言う事、ちゃんと覚えて
俺はね…何があっても
この世で1番に君を大切に想ってる
──例え君が俺以外の男を愛そうと
例え君が俺の元から去って行こうと…
きっと愛してるって気持ちも
大事だって思う気持ちも
────…永久に、変わらないんだよ
死ぬまで…ううん…例え命が尽きて
この身体が朽ち果てる時が来たって
ずっと…──君を想ってる
だって君は掛け替えのない家族で、俺にとって一番に
──…幸せであって欲しい存在だから…
俺が言う "愛してる" って意味も…以前とは違うって分かってる?
好きとか…もうね、
そんな小っちゃな想いはさ…俺、当に超越しちゃってるんだ
…──ねぇ君にとっての、俺は?
変わらず、ただの好きな人?
君にとっての俺も、俺にとっての君と…──きっと同じ、だよね?
そうだって…俺は信じてるよ
だってそうして俺たちは…
ここまで一緒に過ごして来たでしょ?
────だから、さ…
俺達は、そんな簡単に壊れない
────…違う?
はは…酷い顔して
可愛い顔が台無しだよ
…ほら〜
そんなに泣かないの」