第22章 未来を見据えて(3人視点)
「でもなぁ サスケ…
お前を煽ったのは他でもないこの俺だ
あの夜お前に 嫉妬を剥き出しに 大人気なく敵対心を露わにした…
お前はそれで…──腹を立てたんだろう?」
暴走した理由はあの子への異常な執着…でも切っ掛けを与えてしまったとすれば──…それはきっとあの夜の俺だ
「…余裕がなくてごめんな
お前の気持ちに寄り添えなかった 俺にも非がある
お前はどこか…俺に似ているよ──…昔の俺に、さ…
前にもこんな話…
したことあったかな…?」
そう言うとサスケの頬を一筋の涙が伝う
俺はそれを見て溜息を吐くと、踵を返した。
────…
夜になってから影分身を飛ばす
2人の家ではなく、自分の実家に帰った──…花ちゃんを訪れる為に…
────…
「6代目、わざわざ来て貰ってすみません…」
「いえこちらこそ
遅くに伺ってすいません
…あの、今日は…
花ちゃんに…会えませんか?」
面差しが花ちゃんによく似ている。義母の話し声を聞くと 俺は昔から不思議と安堵した。
花ちゃんの人を包み込むような雰囲気は、この母親譲り…それ故だろうか
俺の癒しの 原点みたいな人だった。
だがその言葉に悲しそうな顔を返され 返事の内容が 自ずと分かってしまう。
「…そうですか…
それで、あの
──…その後の容態はどうでしょうか?」
「まだ頭が酷く痛むみたいで…
病院で処方された頭痛薬を飲みながら
…──ずっと寝ています」
「はぁ…そうですか」
それは彼女がまだ術中にいる証拠だ。
幻術で掛けたものと言え、1週間近くこれは続いてしまうのだろう
「カカシ君?
良かったら──…内緒で上がっていきます?
花も、意地を張っているだけで…本当はカカシ君に会いたいんですよ」
その言葉に顔を上げると、優しい笑みを浮かべた眼差しにぶつかった。
ガラリと扉を開けられ俺はそっと中に促される。
「お邪魔…します…」