第22章 未来を見据えて(3人視点)
────…
3日目
「───…代目…っ
6代目!大丈夫っすか?」
シカマルの声に沈んでいた意識が現実に戻る。
「あ…ああ…
……いや…
正直───…
仕事してるような心境じゃないんだけどね…」
「溜まってる書類が目の前にこうも積まれてちゃ 仕方がない──…」そう独言ちて俺は承認書類に印を付いていく
────…
サスケの居場所を特定出来たのは幸運だった。
突発的にコイツを追いかけた香燐と水月の匂いを犬達に追わせたのだ。
事態が早急に解決へと向かった事で、俺はこの件を秘密裏に不問とし 関わったナルト、サクラ、シカマルには堅く口止めをした。しかし…
(──…手心を加えても良かったのかね)
その事が今はまだ甚だ疑問だ
それと言うのも現状──…俺ははらわたが煮えくり返っている。故に冷静な判断など きっと付かないからだ
只それがナルトやサクラ そして何より当事者である花ちゃんの、唯一の願いだった。そして何より…事の詳細を聞くまではこの俺の"願い"でもあった。
謹慎では手ぬるいとサスケは牢に入れられ、今目の前で鎖に繋がれている。その判断も今回、シカマルが下した。
(今の俺は…火影としては
────無能…かもね…)
「あ〜あ、酷い状態だな これは…──」
写輪眼を考慮して、目隠しまでされている
「…サスケ
一度ならず2度までも…
必死でお前を守ろうと…
里に残そうと奔走した見返りが──これか?」
「……」
力なく項垂れるサスケは、俺の言葉にピクリと微かに反応し鎖を鳴らす
「本当はお前をぶちのめしてやりたいよ──…
お前は俺の元部下で、弟子でもあった
そんなお前にこんな酷い仕打ちをされるとは…お前は到底───…師匠思いとは言い難いな」
何も言い訳はないらしい。
暴走した…──サスケはただ花ちゃんへの想いに…
「でも…
俺はお前を許すよ…
時間が掛かろうと…ね
問題児に変わりはないが…──それでも大事な、教え子だ」
それに結局コイツは、花ちゃん"自体"には何もしていない
幻術の中で…とサスケを思い留めたのは、そこに残る良心の現れなのだろう。
「甘いよね俺…
──…お前もそう思わない?」