第21章 叶わない想いの行方
『…サクラちゃん…──ごめん…
サスケ君の事…私…心の何処かで…好きだって…きっとそう 想ってて…
だから私には
…隙があって…────!』
カカシさんにも注意されていたのに。
サスケ君本人からも その隙を指摘されていたのに──…私は、そのどちらもちゃんと受け止めていなかった
「…っ…花さん、しっかりして下さい!!
カカシ先生はそんな事で 花さんを責めたりはしません
きっと、大丈夫ですから!
それに!サスケ君が素敵だなんて…
そんなの、そもそも、お、思わない方が、おかしいですからっ!!」
「そうじゃぞ、んな事言っておったら
サスケに好意を抱いている女子など、里には五万とおるわ!
となればそやつらが皆 この術に掛かってしまうという道理じゃ!
んな事いちいち気にするな!」
「…っ…クッソなんかムカつくってばよ!!
なんでサスケを褒めるみたいな話しの流れになってんだぁ?!」
だが皆の言葉に私はふるふると首を振る
私が自分を責めれば、サスケ君も余計に罪悪感に苛まれてしまう──…それが分かっているのに、もうそこに気を使える余裕すら 今の私には無かった
「心の片隅で ちょっとばかし良いなぁとか思ってたからって、それが何なんだってばよっ!!
んな事言ったら、俺なんてそこら中にいる可愛い子皆に 目がハートになってるっつうのっ!!
花姉ちゃんが愛してんのは、カカシ先生だけだろ?!!
失っても良いのかよ!?」
『…っ…や、やだっ!…けど…』
ボロボロと涙が零れ落ちる
ナルト君の言葉は心を慰めてくれるものだった。けれど、カカシさんが許してくれる自信が、今の私にはない
この前嫉妬をさせて、酷く動揺していたカカシさんを思い出すと 余計にそう思ってしまう
また苦しめてしまう──…
失いたくないから、余計に苦しくなる
「どう考えたって!
術を掛けられる方も悪いなんてっ、んな無茶苦茶な道理 ある訳がねぇ!!!」
その時、サスケ君の決意したような声が聞こえて来る
「花…
俺は責任を取って、里を出る
その時はもう…戻らない
お前らに金輪際…関わらない…」
「え?───サ、サスケ…君…?」