第20章 追跡とアジトR18(3人視点)
そこに愛しい人の気配を感じて、ずっと付き纏っていた不可解なモヤが パッと晴れていくのが分かった。
『あ…っ…───パックン?!』
サクラちゃんが私の頬を挟んで、もう一度瞳孔が確認される
『サ…サクラちゃん、な、何…?』
ジッと顔を覗き込まれ、私は思わず後ずさってしまった。
「…っ…戻った!
これは…──パックン達のお陰?
カカシ先生の気配が、花さんを現実に引き戻したんだわ!
花さん、自分がどうしてここにいるか、覚えてますか?!」
サクラちゃんの言葉に、私はパチパチと目を瞬く
『え──…て、あれ…?
────此処どこ?
私確か、入院してた、筈…』
…来い来い、とサクラちゃんに手で呼ばれ、パックンが目の前まで来る。
私は微笑むとしゃがみ込んで、集まってくるカカシさんの8忍犬に順番に手を伸ばした。
撫でられる忍犬達は口々に「心配させやがって」などとぼやいている。
『心配…?
──…変な感じ…
私、自分が今どうしてここにいるのか──分からないの…
…っ…痛…
う……頭……痛い……』
途端に走るこめかみの痛みに顔をしかめる
「まだ完全に術は解けてない
…花さん、多分犬達の側にいた方がいい
離れるとカカシ先生の事…忘れちゃうみたいだから」
『…え?!』
カカシさんを…忘れる?
「そう言う事ならば、拙者らが花をカカシの元へ連れ帰る
お前ら2人で、サスケを説得し…もしくは最悪…力技でもあやつを里まで連れ帰るんじゃ
…いいな?」
「…っ…て言ってる側から来たか…
…──サスケェっ!!』
視線を向ければそこにはサスケ君が、背後には他の2人が戸惑った顔で立っている
サスケ君と目が合うと、どうした事か──…また、頭が霞み始めた。
なのに不思議と、頭痛は引いていく
『…っ…に…これ…?』
術に掛けられてるって…
…っ…本当…なんだ
(でも何で…サスケ…君に、反応、するの…?)
「抵抗の意思はない
花の事も、傷付けてはいない
…捕らえる気なら、好きにしろ」
その台詞に、私は眉を潜める
(この術…サ…スケ君が…掛け、てるの…?)