第20章 追跡とアジトR18(3人視点)
「そんでそれを失うと暴走するんでしょ? そんなような事、言ってたよね?
───正に君、今そんな感じ?」
「……何が言いたい?」
「…──さぁ、なんだろ?
俺にも良く分かんない
でもさ、今の君
───何か見てらんない」
そう言って手を離した水月の顔は、いつになく真剣なものだった。
その頭を突然、後ろからやって来た香燐が思い切り拳で叩く。水月の頭が潰れてその場に水しぶきが上がった。
「痛ったっ!!!
────何だよ香燐っ!!」
「サスケ!!お…追手が来たぞ!」
────…
キッチンで食材を洗い下ごしらえをしていると、突然 窓の外からナルト君とサクラちゃんの顔が覗いた。
「い、いた!!良かったぁ〜!!
花姉ちゃん、無事だったか?!」
「花さんっ…」
私を見てホッと息を吐き出す2人に思わず首を傾げる。
『え…どうしたの?2人とも
サスケ君に会いに来た?』
すると寄ってきたサクラちゃんが徐に肩を掴んだ。
「解」
『え?』
まるで幻術を解くような仕草に私は目を丸くする。
「解けたのか、幻術?
てかこれ、ホントに幻術なのかよ?」
「わ…分からない…
でも花さん、瞳孔が開いてる
…──やっぱり普通じゃない
花さん…あなたの今 好きな人は誰ですか?」
医忍の顔をしたサクラちゃんに妙な質問をされる。
様子のおかしな2人に、私は更に目を瞬いた。
『誰が好きって…
…あ…その、
ご…ごめんサクラちゃん…
その…実は───…サスケ…くん…なの…
私、サスケ君の事…
いつしか───好きに、なっちゃって…』
狼狽え始める私の肩を サクラちゃんが
「大丈夫ですよ」と言って宥める様に撫でる
「ナルトダメだ…多分解術出来てない
…花さん、あなたは今
──…正常な思考ではありません
これは…っ…一体何の術なの?」
サクラちゃんが戸惑った表情になる
「姉ちゃん、カカシ先生は?
き──嫌いになっちまったのか?
花姉ちゃんの口からそんな言葉聞いたら
──…カカシ先生…っ、そ、卒倒しちまうってばよっ!!」
(カカシ…先生?)
すると次の瞬間窓から 今度はぞろぞろと犬達が入ってくる。