第20章 追跡とアジトR18(3人視点)
サクラちゃんが私の様子を見て、慌ててパックンを抱き抱えると「はい、抱いててください」と、腕の中に渡してきた。
私は戸惑いつつパックンの身体をギュッと抱き締める
するとぼぉっとしたモヤが、薄れる。
パックンの気配が、カカシさんの事を思い出させてくれた。
(カカシさんの事忘れるなんて
…──そんなの、絶対に…ヤダッ…)
サスケ君が悲しげな表情を見せていた。
「…弱いが、彼女に "色の術" を掛けている
カカシの口寄せ動物が側にいるだけで、解けてしまう程の、な…
──…そのせいで俺に惚れていると、花は錯覚しているんだ
解術の方法はないが、1週間もすれば自然と元に戻るだろう
…安心しろ」
色の術────…!?
何で…サスケ君、が…
「い、色の術って…それって…確か…くノ一の…
何でくノ一の秘術を…サスケ君が…っ」
「お、お前っ!!
花姉ちゃんに…な、な、な、何したんだってばよっ…?!」
目を伏せるサスケ君に、2人は動揺している。私はハッと顔を上げた。
もしかして、こないだの一件で…──まさか写輪眼で… "コピー" した…の?
でも──…術は 性交渉によって掛けられる筈だ。
そして私には…そんな記憶はない。
戸惑う私に、サスケ君は言いにくそうに口を開く。
「悪い…っ…花….
俺は、写輪眼の幻術の中で…
お前を…っ…術に掛けた
お前の記憶も消し…その事を、抹消しようとさえした
カカシを裏切り
お前を…手に入れたんだ
許せなどと、おこがましい事を言うつもりはない
──…どんな罰も、甘んじて受ける」
サスケ君は衝撃的な事実を隠しもしないまま、その場で全て…告白していく。
そこには最早、誤魔化そうとか ここから逃げようなどという意思は 微塵も感じられなかった。
覚悟を決め、私達に裁かれるのをただ、待っているように見える。
途端にかすめる…──微かな記憶…
サスケ君の肌を…夢の中で…感じたような…
それは、甘い…記憶だった──…
忘れている筈のそれを、何故か私は夢を見たことのように 微かに記憶に確認する。
すると思うより先に、口が動いていた
『わ…私…っ…
…か、帰らない…』