第20章 追跡とアジトR18(3人視点)
「重吾はその時 香燐達とは違う場所にいたそうです
…あの3人、何やかんやといがみ合いつつ いつもつるんでたみたいっすよ
故に計画的であれば、3人で…って可能性のが高いです
感知に優れている香燐が、突発的にサスケを追ったって線で…まず間違いないと思います
…っ…たく、香燐が里にいれば、サスケの追尾に協力させられたってのに」
(感知能力に優れた香燐…か)
だがもし本当に香燐と水月の起こした行動が突発的なものであったとしたら、そこに追う足掛かりがあるかも知れない。
────…
「ちょっと
ちゃっちゃと済ませちゃってよ
あんまり顔を見られたくないしさ」
『あ…うん』
水月の言葉に、私は人知れず 今日何度目になるか分からない溜息を吐き出していた。
(…サスケ君──…
今日…一度も目を合わせてくれない)
私はそんな彼から逃げるように、この得体の知れない青年と一緒に食材を調達している。
アジトから歩いて30分程の距離にある、小さな集落
サスケ君が木ノ葉の里から離れ、私をここへ連れて来たのは 私とのこれからの生活を望んでくれているからだ、と勝手に思っていた。
好きだと告げて、気持ちを返され──…私は浮かれていたのかも知れない
昨日はあんなに優しくて激しいキスを、たくさん…してくれたのに…
──…結局は、抱いてくれなかった
私はブルブルと頭を振る。
こんなんじゃ、サスケ君にもっと避けられちゃう…
今はただ、何かを憂いているサスケ君の顔を 少しでも笑顔にしたい
私に出来るのはそれぐらいだ
元々得意じゃなかったけれど、ここ数年で料理の腕だけは磨いて来たつもりだ。
────…に栄養のあるものを、たくさん…食べて欲しくて…
────頑張って…
……覚え…た……
『…っ…』
「どうした?」
無意識に掌から落としたリンゴを、水月がスッと拾い上げ 怪訝そうな顔が下から覗き込んでくる。
(…また、だ…
この…不愉快な、感覚──…
今…確かに、何かを…思い出しそうに…なった、のに…
何かとても──…大事な、事を…)