第20章 追跡とアジトR18(3人視点)
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2日目───
パックン達忍犬の先導で、ナルトとサクラがサスケの行方を追って…一夜開けた。
8忍犬の1匹 "ウルシ" が昨夜の報告をするべく現れていた。
「案の定…といったところだが、花とサスケの匂いが途絶えた
…これ以上の追尾は難しい。
残念だが、他の手掛かりが必要だぞ、カカシ」
ウルシの声に、俺は顔を上げる。
「そうか…参ったな」
国境警備によれば、火の国を跨ぐ不穏な輩は未だ現れないとの事。
警備の目を掻い潜って騒動なく国境を越えることは、例えサスケであっても難しい──…ましてや花ちゃんを連れているとなれば、尚更に
そう考えれば2人がまだ火の国にいるのは明らかだ
だが今のところ…分かっているのはそのくらい
もしサスケの目的地が定まっていないとしても 何処かで野宿でもしながら幾らでも行方を晦ます事は可能だ。
人員を増やして当たりを付けた付近の町や村を、シラミ潰しに捜すしかないのか…
(…どうする…)
出来れば事を荒立てたくはない。
サスケには里にいる道を残してやりたかった。
"火影の妻"を誘拐したともなれば、例え俺が許したとて "ご意見番" は黙っていまい。
ただでさえ上からの睨みがキツい今のサスケを、これ以上庇えなくなるかも知れなかった。俺はその事を危惧していた。
(だが火の国を出られたら…それこそ手掛かりを掴むのは難しくなってしまう)
花ちゃんが今どんな状態でいるのか分からない事が、加えて俺の不安を煽って行く。
増員の事を真剣に思案していると、ノックもそこそこにシカマルが入って来た。
「6代目、ヤマト隊長管理下の例の "水月と香燐" ですが…──やはり昨日から戻ってません
恐らくはナルトの邪魔をした後、サスケの後を追ったんでしょう」
「どう思う…シカマル
これは計画的なのか?
サスケが潜むとすれば…──一体どこに」
水月と香燐…──サスケが里を抜けている間、仲間として一緒にいた2人。
サスケに協力して、今回の事に一枚噛んでいたとしても不思議はない。が計画的であれば逃亡先もある程度確保されている筈…
「──…ん?
あれ?もう1人居たよね?
確か…重吾…だったか──…」