第20章 追跡とアジトR18(3人視点)
口寄せの術で犬達を呼び寄せる。鼻が効くコイツらに先導させるつもりだった。
「あいつがどういうつもりが知らないけど…追跡して花ちゃんの無事を確認して欲しい──…頼めるか、ナルト。
任務帰りで悪いけど
────これはお前に頼みたい」
「ああ、勿論だ
このままじゃ俺も気持ち悪りぃ。
ぜってぇ捕まえてサスケのおかしな暴走を止めてみせる
任せといてくれ!カカシ先生」
俺はパックンと他の犬達に今朝花ちゃんの用意した包みを差し出した。だが肉球を見せて制される。
「花の匂いなら分かる
必要ない」
「──…そうか
じゃあ、頼んだぞパックン」
本当は俺が行きたい
「カカシ先生…あの…私も…っ」
「サクラ…さっきから人の心配ばっかりしてるけど…サスケのとち狂った姿見て
────お前こそ、冷静でいられるの?」
サクラは強い。だがサスケがどういうつもりか分からない今 こいつが気を取り乱さないとも限らない。
俺はいつも強がるサクラが心配だった。
たが瞳を覗けば、そこには揺るぎない意志が見える。
(……止めても無駄…か……
はぁ…だよね…)
「大丈夫です!
──…お願いします!
私にも行かせてください!!」
痛い程に分かるその意思を、俺が止める事は出来ない、ね
俺はサクラに小さく頷いて見せた。
(サスケ───お前は…
信頼する仲間全員を、傷付けている
それが分からない
お前じゃないはずだろ──…)
気を抜けばこうしている今もおかしな想像ばかりが浮かんでしまう。
(…花ちゃん…)
そうだ──…
俺が今…誰よりも冷静に
────対処しなければ…
「シカマル、国境警備は?どうなってる」
「目下鷹を飛ばして確認中っす」
まだ火の国にいれば良い。
心の中、思うのは…火影の立場にそぐわない身勝手で個人的な願いだ。
それを失えば…──今度こそ、俺は我を忘れるかも知れない
神など信じない、だが…
まるですがるように俺は手の中の包みを握り込み…そっとそれを胸に当てた。
────…