第20章 追跡とアジトR18(3人視点)
「何処でだったかなぁ?
…っ…あ、そうだ火影──…
君、火影の奥さんだ!!そうでしょう?!
えぇ──…?!!
何々!まさかサスケ、不倫でもしちゃってるの?
てことは泥沼な感じなワケ?」
明らかに面白がってそう言う水月の横で、香燐は花を視界に捉え俄かに眉を潜めている。
「…火影の?
…てかサスケ…
お前、まさか───この女に──…」
感知タイプの香燐は、花を一瞥しただけで彼女に掛けられているその技の全容を理解した様子だった。
こいつはチャクラの微妙な乱れで、術すらも感知する。
(こいつなら気付くだろうな…
──…予定外だが、仕方ない
どう出る、香燐──)
邪魔をするようなら倒すしかなくなる。不本意ではあるが…
香燐は暫く戸惑ってから、悲し気な顔を俺に向けた。
何かを訴える様なその目に警戒するが、結局その事には言及しない。
「サスケ…その…
うちが側にいた方が
役に立つんじゃねぇか?
…この分じゃ…──直ぐに追手が掛かるぞ」
「…だろうな」
驚いた…──こいつ…協力するつもりなのか?
「ねぇ君、夫がいるのに
サスケにひょいひょい付いて来たワケ?
随分と尻軽なんだな──今の火影様の奥さんは…──ってサスケ、怖っ…!!
何っ!!?その人を殺しそうな目!」
「もう黙ってろよ!水月っ!」
全く…うるさいのが付いてきた。
だが、確かに香燐の感知は役に立つ
とは言え、俺たちが共に過ごせるリミットはたったの1週間、もしくはそれ以下だ。
巻き込んでもいいのか…──こいつらを…
────…
ナルトとサクラの報告を聞き終え俺は頭を抱えていた。
まさか本当にサスケが暴走するとは思わなかった。
「それは確かなのか…っ、2人とも…」
「ああ…花ねぇちゃんは普通じゃなかった
あれは間違いなく、何かの術に掛けられてた
写輪眼の幻術かと思って外から解こうと思ったんだけどよ…触れる事すら出来ずに…──みすみすあいつを逃しちまったんだってばよ…
俺がその場にいながら取り戻せなかった──…すまねぇ…カカシ先生…」
「わ、私だって
未だに信じられない…っ!
まさか花さんが…
──サスケ君と…あんな事…っ!!」