第19章 芽生えた気持ち(3人視点)
「サスケ!!
一体花ねぇちゃんをどうするつもりだ!!
それから…その殺気…っ
一体──…誰に向けてる?
──…どういうつもりだってばよ──ッ?!!」
「邪魔をするな ナルト」
花を奪い取ろうとする2人を交わして窓から飛び出す。
こうなってはもうこの里にはいられない。
里外に出る他ない──だが、全ては覚悟の上だ。
「…っ…サスケ君っ!!
──…ナルト!!!
花さん──…ッ!!!」
サクラが窓に駆け寄りそこから顔を出す
「花ねぇちゃんは
カカシ先生の大事な奥さんだ!!
ねぇちゃんを渡せ…っ!!
事情はその後でゆっくりと聞かせて貰わなきゃなっ!!!
多重影分身の術────っ!!!」
その瞬間 何百人にも膨れ上がるナルトの分身が一斉に飛び掛かってくる。
俺はスサノオを形成してそれを一気に薙ぎ払った。
「な…──!!
てんめぇ──…ッ
本気出しやがって…!!!
そっちがそのつもりなら
こっちも本気で行かせて貰うぜ」
「ばっ、馬鹿…っ!!!
里の中で尾獣モード全開にしてサスケ君と遣り合ったら…っ!!町がめちゃくちゃになっちゃう!!!
────駄目っ!!!」
サクラの言葉に一瞬躊躇したナルトを振り切って、俺は里外へ向かって一気に加速した。
必死に縋り付いてくる花の温もりだけが、俺の理性を危うくも その場に繋ぎ止めていた。
攻撃の手を止めたナルトがまた分身を増やして追いかけてくる。
───…ホントに、厄介だ…
───…
ドオオオッン────!!!
「い──ッ?!!
何だ!?…っ
6代目…あれは一体…っ」
建物が壊れる様な重音が響いて、遠くに土埃が立ち昇るのが見える
俺はシカマルと共にその方角の窓を開け放ち呆然と立ち竦んだ。
あれは…っ…木ノ葉病院の方角だ
「…っ…あそこには
さっきまで影分身を置いていたのに
…──一体何事だ?!
シカマル──っ!!
至急人を送って事態を把握しろ!」
「…承知」
それ程規模の大きなものでは無い。
忍同士の喧嘩やトラブルでも同様の事はよく起こる、だが…
(何か…嫌な予感がする…)