第19章 芽生えた気持ち(3人視点)
───…
扉の前に茫然と立ち尽くす人物は言葉を失くしている
俺達が気にも掛けずに口付け合う姿を──…ただ目を見開いて見つめている。
他人に見られる趣味は、ないんだが…な
──花が離してくれない。
(…ナルトと、サクラ…)
「ちょっ…ちょちょちょちょっ!!!
ちょい!!!お、お、おい!!サスケ!!!
こりゃ──ッ、一体どういう状況だってばよッ!!
あ あれ──?!俺達 へ 部屋間違えた?!
ここって、花ねぇちゃんの部屋じゃねえの?!
…っ…て…その子、ね ねぇちゃん…なのか?」
花は2人の声などまるで耳に入っていない様だ
気を散らす俺をまるで責めるかの様に、首筋に縋り付き キスを更に深めてくる。
2人を視界に捉えながら、俺は花にキスを返すと、その背中をなだめる様に撫でた。
「…サ、スケ君…っ
…っ…花…さ…ん…?」
迂闊だったな…だがもうどうでもいい
…──これで迷いも何もなくなった。
「…っ…!!!
何だ…この感じ!
──サクラちゃん…っ!
この花ねぇちゃん
────…普通じゃねえぞ」
「うん、分かってる
サスケ君…花さんに 何を…っ
一体…っ…何をしたの!?」
「──…つ〜〜かっっ!!!
ちゅうちゅうちゅうちゅうっっ!!!
お前らぁ──っ!!
人が話しかけてんのによぉっ!!!
いい加減っ、やめろってばよ〜!!!」
花が我に帰った様に唇を離すと、ナルトとサクラに漸く目をやった。
『ナルト君、サクラちゃん
──…どうかした?』
「──!!!
花さん、しっかりしてください!!
今、自分が何をしているか…理解…してますか?」
「サクラちゃん、そりゃ無理ってもんだ
この顔…目の焦点すら、合ってねぇ…」
ただ面倒な事には違いない
この里で、1番手強い相手に邪魔されるのは。
「ナルト!幻術かも…っ!
外側から、解除して!!」
俺の殺気を感じたのか、2人が身構える。