第19章 芽生えた気持ち(3人視点)
現れたサスケ君が近寄ってきて傍らに座り 私を見つめる
その時、不意に襲って来た奇妙な感覚に 私は咄嗟に喉元を押さえた──そして戸惑う
これは…飢えとも渇きとも違う。ただ突然、目の前の彼が 強烈に欲しくなった。
(…なに…これ…)
サスケ君の手が私の手を握り、思わずピクリと反応する
伝わるその体温が、私の熱をどんどん上げていった──…抑えられない程に…
「花、俺と里を出ないか?」
言われた言葉に潤んだ目を上げる
『え…』
ああ…サスケくん…──どうしてだろう?
あなたに触れたい…と無意識に手を伸ばす
伸ばした私の指先に、サスケ君は頬を寄せた
「1週間だけで構わない
お前の時間を、俺にくれないか?」
彼の一挙一動にいちいち胸がざわめく。
動悸が治らない
何故今迄、気付かなかったのか…
私は…こんなにもサスケ君の事を──…
自覚した途端、すとんとそれが腑に落ちる
溢れ出るこの気持ちを伝えずにはいられなかった。
『…好、き…』
「花…?」
サスケ君が…好き
──好き…
サスケ君はその言葉に何故か泣きそうな顔になった
好き…触れたい、キス、したい
「ああ…俺も好きだ…花
俺も、好きだ…」
───ホントに…?
引き寄せられて抱き締められる。
先程までの身体の怠さも、頭の痛みも…すっかり消え失せていた
抱き締められ、今感じるのは…大好きな彼に受け入れられたという幸福感、それだけ
『サスケ君…私…サスケ君の行くところになら何処へでも行くよ
望んでくれるのなら、何処まででも付いていく』
そう言って彼の顔を覗き込むと視線が絡まり、私は思わず彼にそっと顔を寄せる──…そうして自分から、舌先を内側に差し入れた
「花…っ」
一瞬戸惑ったサスケ君は、だが直ぐに堰が切れたようにキスを深めてくれた
『…ん…っ…ふ…』
包まれる幸福感──溢れ出る欲望…
もっと…もっと…欲しい
いっそこのまま…彼にこの場で抱いて欲しい
サスケ君…──、サスケ君…っ
───ガタッ
その時、突然物音が立った
だがどうでもいい。このキスをやめようとは思わない。