第18章 記憶の消滅R18(3人視点)
「でも…花さんは──
敵対心剥き出しの私にも
他の子達と変わらずに、優しくって…
いつも笑顔で…私を気遣ってくれた
ああ、サスケ君は
…──こういう人が、好きなんだって
そのうちに───
悔しいけど私も 花さんの事
だ…大好きになっちゃって…っ
いつしか、それが"憧れ"に、変わって…
い、今でも、それは変わりません!」
そう言ってギュッと手を握り込む。
ポタポタと俯いたサクラちゃんの瞳から膝の上に涙が溢れ落ちていた。
話を聞きながら、私も堪え切れず涙を零す
『サクラちゃん…っ
私…知らなくて────ごめん…』
そんな風に自分の気持ちと戦いながら…それでも私に変わらぬ好意を、ずっと向けていてくれた。
初めて知ったその健気な気持ちが嬉しくて…でもサクラちゃんの気持ちを思うと悲しくて…それが心に染み込んでくる度に、涙はどんどん、溢れて零れた。
「花さんの事、サスケ君が目で追う度に 私も釣られて目で追って…
そうしている内に──気付いたんです
サスケ君が、悲しい顔してる…って
それから、花さんが
いつも "同じ人" を見てる事に気が付きました」
『…あ…』
涙を拭いつつ、カァッと頬を熱くする
そ、そんなとこ見られてたの?
まさかその当時から2人に自分の気持ちに気付かれていたとは…
思い掛けない言葉につい動揺してしまった。
サクラちゃんは涙を拭って顔を上げると、いつもの可愛い顔で微笑んでくれる
「ふふ、言いましたよね?
カカシ先生と花さんは、私にとって理想のカップルだって──
花さんがずっとカカシ先生の事想ってたの…私、知ってたから…
だからその想いを叶えて、遂に2人が結婚した時には──本当に、まるで自分の事みたいに、嬉しかった!
今ではカカシ先生も、花さんの事凄く愛してるし──…ホントに、羨ましいんです
私もいつか、そうなれたらって
────ずっと、そう思ってます!」
「諦めません、大丈夫」そんな風に明るく言える彼女を眩しく感じる
サスケ君には、こんなに思ってくれてるサクラちゃんがいる
彼女がいれば彼はきっと大丈夫
そんな事を陰ながら私は確信していた。