第18章 記憶の消滅R18(3人視点)
『…っ…ん……サスケ…君…
私…鎖を…外して欲しいから…
キスしたんじゃ、ない…』
紡がれた言葉の意味が、理解出来ない。
無反応の俺に、花は涙を零しながら言った。
『…あなたの傷を、癒したい
サスケ君にとって…それが…これで…
──…私にしか出来ないのなら…
いいよ…
私は…貴方を、受け入れる
それから、私は……貴方を、許す』
その言葉に目を見開く
──…受け入れる?
許す、だと?
────…一体 どうしたらそんな思考になる?
まるで先日の サクラのような事を言う。
不本意な凌辱行為を 俺のために受け入れる、とでも言うのか?
「頭がおかしくなったのか?
さっき言った筈だ…
俺を許さなくてもいい、と」
『でも…
許すっていってるの』
「受け入れて、その先どうなる?
傷付いたお前は、俺を許して──…その先は?
カカシと別れて俺の側にいる事を選ぶとでも言うのか?」
そう言われた花の表情が、途端に凍りつく。
『…っ…
サスケ君の事は…
ごめん…選ばない
────選べ、ない
でも…っ
少しは気がおさま…っ』
俺はまた花の唇を塞いだ
やっぱり──お前は、何も分かってない
そんな事をされて、今まで通りに過ごせるとでも思っているのか?
お気楽な思考の、花らしい
だがそんな思考に辿り着いてしまうお前も…どうしようもなく…好きだった
俺が手にしたいのは…──そんな、お前の心だ
あの、サクラが俺に向けるような
───焦がれたような瞳だ。
花の鎖の幻術を解くと、ハッとした花は はだけた衣服を掻き集め身体を隠す。
『サスケ…君…?』
「受け入れてくれるんだろ?」
その方がやりやすい
花に手を伸ばすと、彼女は戸惑っていた顔を意志の強いそれに変える
────ああ、違う…
そんな顔を、して欲しい訳じゃない
お前は何も、分かってない
俺が手にしたい物は──…その先にある
寄り添うと俺の肩に手を当てる
口付けると、震えながら俺を受け入れた
…違う…っ
──…違う──…っ
俺が欲しいのは…っ…こんな、お前じゃない!!