第18章 記憶の消滅R18(3人視点)
正直俺は浮かれていたのだと思う。
この間の幻影の一件で、花ちゃんの…本当の気持ちを知れた事に。
いつもは遠慮して、無理矢理にでも我を押さえ込んでしまうこの子の…その "想い" に、俺は寄り添いたかった。
支えて貰ってばかりの俺は、いつも大したことは…何もしてあげられない。
そうして昨夜、この子を抱きながら…その方法を考えた。
(…余裕のある時は、影分身で帰ろう
そして遠慮せずにこの子を抱こう…)
単純な方法を今までやらなかったのは、花ちゃん自身が止めた事による。
影分身は地味にチャクラを使うから、本体が万全で居られないのはダメだ…とか、確かそんな理由だった。
ナルトくらいチャクラが無限にあれば…とも思ったが、そういう訳にもいかず、花ちゃんが俺を心配してくれる その気持ちを汲んだ。
だけどもう、言うことなんて聞いてあげない。
君が求めてくれるなら、俺は自制心を捨てよう
そう決めたら心が軽くなる。
本心は、俺が帰りたいんだよ
──…本当は、分身じゃなく…本体で。
まぁ俺は火影だから、流石にそれはしないけど
影分身の持って来た君の温もりをただ感じるだけで、きっと俺は、満たされる…
初めて知った君の"可愛いわがまま"を、どうにかして叶えさせて…
「… 夜にも帰るよ、影分身で…
今夜も沢山、可愛がってあげる」
耳元で囁くと、驚く顔が真っ赤に染まった。
(…くっそ〜!可愛いな…)
今すぐこの場で組み敷きたい。
いい歳して、溢れ出る情欲が抑えられず、困ってしまう…
(…そんな顔する、君のせいだ…)
『…い…1時間…だけ、なら…』
あ、お許しが出た。
流石に強がっても無駄だって、気付いたのかな?
──…愛おしいな…どうしようもなく…
「…ありがと、花ちゃん」
幸せな空気に包まれた我が家を後にする。
かけがいのない存在に後ろ髪を引かれながら、俺はアカデミーに軽い足取りを向けた。
──…今夜の君を考えて…