第18章 記憶の消滅R18(3人視点)
────…
私の作った幻影が消えて2日が経っていた。
およそ1週間振りにカカシさんと甘い夜を過ごした私は、朝から上機嫌だ。
だが玄関で、彼を見送る時…久し振りに感じた、一抹の寂しさ…
4日間──…幻影が側にいてくれていた事に慣れてしまっていたのだろう。
消えた翌日に本物のカカシさんが帰って来て、忘れていたこの感覚…
今日はもう、代わりにあの幻影は現れない。
夜にカカシさんはいない
今度はいつ帰れるかすら、分からない
…が、そもそもこれが私たちの日常だった。
いつものペースを取り戻さなくては…
私は笑みを作り彼と向き合った。
────…
昨夜のカカシさんのセリフが蘇ってくる。
「…俺と結婚した事…後悔してない?
俺は君の"ささやかな願い"すら…叶えてあげられていない…
毎日側にいてあげたいけど…それが出来ない…」
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あんな心配を、もうさせてはいけない…心底、そう思っていた。
『忘れ物はないですか?』
「忘れ物?
あ、そっか、ごめんごめん…んっ」
そう言うと、キスが落ちて来た。
『…んっ…そ、そっちの…
…忘れ物、じゃなくて』
「夜に影分身、飛ばしてもいい?」
口付けながら囁かれる。
『…え…?
あ…いえ…お気持ちは嬉しいですが…
そんな事で、チャクラを無駄に使わないでください
私の事は、大丈夫です』
「…だって会いたいし」
優しく腰が引かれる。
『お昼に伺いますから』
笑顔の私にカカシさんは目を見開く。
「あれ?
いつものしっかり者に戻っちゃったの?
…そんな風に強がっても、もうバレてるよ
君が、本当は寂しいって事」
そうしてにやりと微笑まれてしまった。
『…な…』
「ふふ、行ってきます、大好きな奥さん…
お昼にね」
『あ、はい…いってらっしゃ…っ…』
最後に徐に寄ってきたカカシさんの唇が、耳元に押し付けられる。
「夜にも帰るよ、影分身で…
今夜も沢山、可愛がってあげる」
『…っ…』
こんなに甘やかされていいのだろうか?
…いや、これに慣れたら…いけない気がする