第15章 奇妙な三角関係
────…
「こいつは"色"を浴びているが幻術の類だ。
つまりは──…、"性…交渉"
によって為されたもの、ではあるが…」
そこでサスケ君が照れたように咳払いをするので私も釣られて顔が赤くなってしまった。
(…せ、性交渉って…
た──確かにその通り、なのだけど…
────…恥ずかし過ぎる…!)
もう途端にもう家の中に逆戻りしたくなる。
「コホン、"本体自体"を操るまでには、花の術の完成度が…及んでいない。
故に、幻術という形を成した…と思われる」
サスケ君の顔が話しながらどんどん赤く染まっていくので、私も居た堪れずにどんどん頬が熱くなる。
そんな真っ赤な顔の私達を見て、カカシさんは小さく溜息を吐き、肩を竦めて見せた。
(…つ、つまり…
本体に影響を与える程には、私の力量は及ばなかった…っ…てこと、かな)
まぁ、当然だろう、未習得、だし…
こんな幻術を作り出した事にすら、当の本人は驚いているのだから。
「…が、少し戦ってみた所
興味深い事が分かった。
どうやら"実力"に関しては、本体より──…こいつの方が上らしい。
──恐らくは術者である花の中の、“ カカシのイメージ "が関係している」
え……わ、私の中の…イメージ…?
「倒されちゃってたもんね、お前が俺に…
ふむ…確かに実に興味深い」
カカシさんは顎に手を当てマジマジと自分そっくりの幻術を見つめている。
「あのね、実際には今のサスケに俺は敵わないんだよ、花ちゃん
サスケってば今はナルト並みに強いの」
『そんな事は分かってます』
「──本当に?」
『…』
でも…確かに言われてみると…
私の中のカカシさんのイメージは
…誰よりも強い───…って…
え?!まさか、そんな事が術に影響するの?!
「なんか落ち着かないな
あんまりジロジロ見ないでよ」
会話の最中、私はカカシさんの後ろに隠れ 顔だけを出して影の様子をチラチラと伺っていた。
だがそんな影の方は、私の視線に気付くと ふぃと優し気な表情を向けて来る。
その顔に思わず、キュンと胸が高鳴ってしまった。