第15章 奇妙な三角関係
影のカカシさんがいつ現れるのかという緊張感の中、私はソファでカカシさんに抱き寄せられたま中々過ぎていかない時間をやり過ごしていた。
互いの体温を確かめ合いながら、たまにこめかみにキスが落とされる。
優しく髪を梳かれると、安心感からか段々と睡魔が襲って来てしまった。
「寝ちゃってもいいよ
…身体、辛いんじゃない?」
『ん…でも…』
確かに…辛い。
でもサスケ君を外に待機させてるのに、自分だけ今眠るのは気が引ける。
「…いいから…ほら寝て
何かあったら起こすからさ」
耳元で聞こえるカカシさんの落ち着いた声に誘われるように、重い身体が深く沈み込んで行く。
私はいつしか深い眠りに落ちていた。
────…
暫くすると肩を揺すられて目を覚ます。
(…っ…わ、私…眠って…!)
「おはよ
どうやらお出ましな様子だよ…"俺"が」
その言葉に飛び起きた。
すると外に"2人"の気配を…確かに感じた。
不意に玄関先で物音がする。
『た…闘って…ません?』
「…だね…
──…あれ?
サスケのやつ…もしかして倒しちゃった…かな?」
『え?!』
「怪しい動きをするようなら攻撃をするようにって指示してあるから…
行ってみよう」
そうして慌てて2人、玄関の扉を開けたのだった。
「…サスケ…
っ…て…お前が倒されちゃってる訳?」
『サスケ君!!』
一気に血の気が引く。
カカシさんそっくりなその人が、倒れたサスケ君の上に跨り、手にはクナイ…
カカシさんはその状況を見て、咄嗟に私を自身の後ろに庇うように立った。
「君は、下がってて」
その瞬間、倒れていたと思ったサスケ君が突如目の前に立ち塞がり、手でカカシさんを制した。
「カカシ、お前の察した通りだ
この影は花によって作り上げられた幻影
…害はない」
『…っ…』
その言葉を聞いた途端、身体が固まってしまう。
…この…カカシさんが…幻術…?
わ、私…が…作り…出し、た…?
(…嘘、でしょ…
自覚──…全くない…です)