第12章 邪念(サスケ視点)R18
「これでもお前達2人を信用して
任せようと思ってたんだけど…さ。
相手が"俺自身"って事じゃあね…流石に事情も変わるよ
花ちゃんにも少し無理をさせちゃったし、ね
──…話すのは屋根の上でもいいか?」
そう言って目の前の扉は閉められた。
(少し…だと…?あれで、か?
随分と…──ふざけた事を、言う
あいつは…泣き叫んでいた
────…一体常ではどんな扱いをしている?)
湧いてくる怒りの感情をまた押し込め、俺はカカシに続いた。
────…
カカシは屋根の上にドカッと腰を据え、自身の隣を叩いて座るよう促してくる。
…がとてもそこに座れる気分ではない。
少し離れた場所に立ち冷たい視線を向けた。
すると奴はそんな俺に小さく肩を竦める。
「サスケ
ホントに悪かったよ
大人気なかった。
…だが、お前も俺を挑発したんだ
言ったろ?
…──譲らないって」
「その事はもういい。本題を話せ」
「はぁ…はいはい…
実はさ──…」
そこでカカシから聞かされた話に、俺は目を見開いた。
聞けば花が昔習得しかけた未完成の"色"の術をコイツに情事の最中仕掛け それが発動している可能性がある…ということだった。
「色の秘技…だと?」
聞いた事はある。
────くノ一の独特の色技
驚いた…──そもそも実在、するのか…
「実はさ…
今し方その事に思い至って…
…花ちゃんは…
ちょっと動揺しちゃってて」
「…は、馬鹿夫婦め」
最早それしか言うことはないだろう。
「あはは…悪いな、見せつけて」
思わずチッと舌打ちを返した。
…花が…あいつが──…"色" を
確か主に暗部が隠密で使う技だと聞いた事があるが…
あいつがそんな技を身に付けようとしていた、という事実に 俺は実の所一番、驚いていた。
俺が里を離れていた期間は短くなかった…──という事…だろう。