第12章 邪念(サスケ視点)R18
(…っ…花…っ…花…!)
背徳感と、罪悪感──…
だが、人生に於いて一番昂った自慰行為でもあった。
俺は吐き出されるその欲を、自身の掌で受け止める。
「…っ…く…う…」
吐き出した直後、最悪の気分になった。
チラリと目を向けると庭先に蛇口が設置してある。
(…これは…助かった…な…)
俺は流れる水で手に纏わり付くそれを洗い流し、重い溜息をつく。
(…何やってんだ…俺は…)
そのまま中の気配は浴室に移動したようだった。暫く後、水音が聞こえてくる。
いつまでイチャ付いてる気だ…とも思うが、自分も酷く気怠い身体を休ませたかった。
そのまままた、屋根に上がる。
暗く沈み込んでくるような空をふと見上げると、自分には何も無いような 空虚感に包まれていく。
(ああ…俺は…
花が欲しい…
どうしても…欲しい
…一体どうしたら…
あいつが手に入るんだ…)