第12章 邪念(サスケ視点)R18
カカシは火影になり俺が大戦後も里に居られるようにと…ナルトと共に、立ち回った。お陰で今の俺がある。
カカシは恩師であり
今は尊敬する存在だ。
忍として、人として、は…
だが、男としてのあいつは…余りにも信用出来ない。それ程にあいつの女にだらしなかった過去は、頭にこびりついていた。
だから、花を奪えるものなら
…──奪いたい…
花との結婚を知ったのは 里に戻ってからだった。
サクラとの待ち合わせ場所に赴くと花がいて…俺はらしくもなく動揺し 思い掛けず、頬が熱らせた。
綺麗になった…そう思った…
──…まだ、好きだ…そう思った。
その後ナルトからカカシとの結婚を聞かされたのだ。
その事に思い掛けず打ちのめされ、俺は後先考えずあいつの元へ赴き…カカシと住んでいるというこの家を見て…
また胸が抉られた。
そのままに…溢れる想いをぶつけた。
それが昨夜の事だ。
昔からあいつはカカシが好きで他の誰にも目を向けることはなかった。
朗らかで純真な笑顔に惹かれた。
少しだけ年上のあいつは…アカデミーでも目立つ存在ではなかった。
だが…真っ直ぐにいつもカカシだけを見つめるその瞳が、健気だと思った。
俺にもその瞳を向けて欲しいと…そう願った。
俺は籠るように聞こえてくる彼女の嬌声を聞きながら…何とか冷静を務めていた。
(…良かったじゃないか…
…あいつの…想いが叶った)
花は…
まだガキだった頃に恋をしていた…
それだけの存在…
…のはずだった
────…のに…
────…
その内にそれが泣き叫ぶ様な…悲鳴とも取れる喘ぎ声に変わる。
その上…遠慮もなく身体を打ち付ける音が響き渡って、思わず顔を上げた。
「…っ…花…」
──…悲鳴…
あいつ…──泣いて…?
くっ──…そ…っ
(…カカシっ…!)
自分を抑えられず、扉の前に降り立つ。
ドアノブに手を掛けると、濃厚な情事の最中特有の荒い息遣いと 激しく身体のぶつかる音、と共に…先程より鮮明な声が聞こえてきた。