第11章 影との遭遇R18
そう言えば…あの技を好奇心で使ったのは、
このおかしな騒動が起こる 丁度前日だった───…のではないか。
シャワーを浴びている内にゆっくりと…手足に力が戻ってきて、意識もハッキリとしてくる。
『…あの…っ
もしかしてこの騒動…!
この間掛けた"色の秘技"のせい、じゃ…っ』
突然大きな声を挙げた私を、カカシさんはびっくりした顔で見た。
「え?」
『…あの時、私…
効果とかそういうの…
かなりうろ覚えで掛けてしまって…
だ、だって…当時は座学なんて…
それはもう…付け焼き刃だったし…
その後は…
結局習得する必要がないことが分かって…
───…と、とにかく…!
殆ど覚えてないんです…
カ…カカシさんとの実地の修練は
…強烈、過ぎて…覚えてたんですが…
…あの…
色技の効果って…一体…どんなものなんですか?』
シャワーを浴びながら2人で顔を見合わせた。
「色の…なる程。
まあ、可能性は──…あるな…
──…あの技は術者が、
掛けられたものを意のままに操る効果がある。
けど…影分身を無意識に飛ばすような真似
…出来る、のかな?」
『…分かりません、
でも…私の術は未熟でした。
だから…何かがまかり間違って
──…おかしな事になってしまった
…としたら…』
カカシさんが顎に手を当てて考え込んでしまう。
「う〜ん、そうだなぁ。
術が本来の働きをせずに暴走している、としたら…
はっきりした事は、分からないけど…
…だけど…
────…うわぁ…
だとしたら…
サスケはまた、怒るなぁ…」
私も違う意味で絶望的な気持ちになる。
『…です、ね…』
「これは…完全に…
…バカ夫婦みたいじゃないか…」
『みたい…じゃなくて…
…それが原因なら、完全にバカ夫婦です』
「俺、一応…火影なのに…」
『わ、私のせいです!
ああ…バカな火影夫妻…
って、言われてしまうかも…』
…………
…………
「……ま
知ってるのはサスケだけだし
…大丈夫でしょ?」
そんな軽口を叩き合い、
互いに目を合わせると泣きそうな顔の私へ向けて、カカシさんは気まずげな苦笑いを浮かべた。