第11章 影との遭遇R18
そこで彼にあれは漏らしたのではなく、"潮を吹いた"んだよ…と辿々しくも説明されるが、そんな事を言われても、私にはその違いがいまいち分からない。
結果、あまり慰めにはならなかった。
(ああ、本当に…
こんな恥ずかしい思いをしたのはいつ振りだろう)
あの「色」の鍛錬の時以来かも知れない。
あ、いや…あれはもっと凄かったかな…
何しろ初めてのことだらけだったから、
もっとずっと…恥ずかしかった気がする。
流石に…あそこまでではないかな、うん…
…………
…………
(…うう…やっぱり、
全然慰めにはならない)
でも、何(いずれ)も相手はカカシさんで
最早、夫婦にもなれば こういった恥も掻き捨て…にしなければいけないのだろうか?
そう言えばカカシさんは随分
"潮を吹かせる"という行為に
慣れている様子だった。
私とは…初めて、なのに…
私があんなことになってもさして驚いた様子もなく、どこをどうしたらああなるのか──…分かってやっていたように思う。
(…過去の人とも…そういう事…
…してたのかな…?)
段々変な方向へと考えが向かっていく。
不毛な想像に、今度は私が泣きそうになった。
私は…影が相手とは言え、そもそも"カカシさん"相手にしかそういう事はした事がない。
(…自分だって…過去には…他の人と…)
経験値の圧倒的な違いは…もちろん頭では分かっている。
年齢も離れているし…彼は"男性"だし…
カカシさんは…モテるし、当然だ とも思う。
でもこういう場面では、どうしても思い知らされてしまう。
(…不毛だ…)
分かってる…
分かってるのに…
『…むぅ…』
だとしても…過去は過去…私は奥さんになれたんだから…妻として、夫の要求には答えたい。
(…か…カカシさんが、望むなら…
────わ、私だって…)
と居住まいを正してみる…が、今はまだダメージが大き過ぎて 直ぐにへなへなと力が抜けた。
「ど、どうしたの?
あ、強く擦りすぎちゃった?」
へたり込む私をカカシさんが焦って宥めてくる。
(……あれ……色の術…?)