第11章 影との遭遇R18
『あっ…あぁ…』
激しく脱力した身体はもう思うようには動かない。
私はカカシさんに抱き締められ、耳元で何度も「愛してる…ごめん」と繰り返された。
それが疲弊した身体には…何故かとても、心地良いい。
こんな抱かれ方をされて、傷付かない訳がない。
…恥ずかしかったし…何より、身体中が…痛い。
苦しそうなカカシさんの顔を見るのは正直、辛くもあった。
サスケ君にはこの後どんな顔をして会えばいいのか…それはもう…考えるだけで、気が重くなる。
でも…───愛されてる…
私はカカシさんに、愛されてる。
彼の…あの怒りの感情が今、何度も繰り返されている囁きが、私にそれを実感させてくれた。
昨日は思った…彼が望むなら、何処で抱かれようが構わないと。そして今思った…彼が望むなら、どんな風に抱かれようとも構わないんだ…と。
結局、彼の全てを…私は受け入れたいのだ。
大好きだから…
愛しているから…
だから…こんなに何度も
謝らなくてもいい…のにな…
(でも彼は…きっとそうは思わないんだろう…)
チラリと目だけで彼の表情を伺うと、案の定、彼は自分を責め…酷く罪悪感に打ちのめされた顔をしていた。
(…ああ…
…本当に…仕方のない人…)
私はそっと…力の入らない腕を伸ばして、カカシさんの頬に触れる。
こんな顔をするくらいなら、始めからしなきゃ良いのに…とも思う。
でもきっと、さっき彼が言っていたように、どうしても抑えられなかったんだろう。
何だかいつもの彼らしくはないが、それはとても人間らしい…と感じた。
恐らくこれが、本来彼が持っている隠された一面で…こういう隠れた彼が この先も沢山出てくるのかもしれない。
でも彼を形作る全てのものを…妻として、私は全部、受け入れたい。
いつもの完璧なカカシさんも好きだけど…こうして火影の立場を忘れるぐらいに、我を忘れてしまう一面も…やはりどうしようもなく、好きだと思った。
嫉妬して、怒って、私を傷つけて、最後にはこんな風に落ち込むなんて…
(…やっぱり…この人…
たまに…子供、みたいだな…)