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第3章 独占欲と罠


*主人公side



「さん、今年の文化祭でミスコンに出てください!!」


『えーっと....』



ヒーローインターンで思いもよらぬ事件に巻き込まれたつい数日後。
雄英高校はすっかり文化祭モードに包まれ、その平和ボケした空気に私は少々戸惑っていた。

廊下を歩いているときに声をかけてきた男子生徒は、曰く、文化祭の実行員をしている3年生だという。
実は入学した直後にもミスコン出場の勧誘をされたのだけど、なくてなんとなく断ってしまっていた。


別に目立つのが嫌というわけではないのだけど、クラスの出し物の準備の方が楽しそうだから、今年はそちらに専念したいと思ったのだ。
でも...熱心に依頼をしてくる実行委員の彼を見ていると、断り続けるのも少し心が傷んでしまう。



「....出ないのか?」


きっぱり断りきれずにもごもごしていると、隣の焦凍が心配そうに顔を覗き込んできた。



『いやぁ、ちょっとね....』


「あれれ!ちゃんだ!学校内で合うなんて久しぶりだね!ふっしぎ〜!」


突然体に衝撃が走る。
目の前には、水色のロングヘアの美少女の顔。
私の首に両腕を回して抱きついている。



『ねじれちゃん!奇遇だね〜元気〜〜?』


「...BIG3の人か。、どういう仲だ?」


『あれ...言ってなかったっけ』


「君も確かA組の子だよね!仲良しなんだね〜〜〜!ちゃんに何も聞いてないの?不思議!」


「...?」


『私たち、いとこなんだよ。』


「...!」



何を隠そう、私がミスコン出場を渋る最大の理由は、いとこのねじれお姉ちゃんが出場するからだ。
まさか私が勝つだなんて思っているわけではないんだけど、ただ、昔から仲良しだったねじれお姉ちゃんのことを、純粋に観客として応援したいと思ったのだ。

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